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動きケア®による予防と改善! 新発想の身体部分分けと基本運動⑧膝(下腿)【スポーツ障害予防の教科書】

Text:土屋真人

身体の部分分けと基本運動⑧膝(下腿)

膝は曲がるとねじれやすく不安定になる

膝(下腿)の基本運動には、「屈曲と伸展」「外旋と内旋」という4つがあります。

屈曲は膝を曲げる動きで、伸展は膝を伸ばす動きです。また外旋と内旋は膝が曲がった状態でのみできる動きで、外旋は下腿を外方にねじる動きで、内旋は下腿を内方にねじる動きになります。膝が伸びている時は内側側副靭帯と外側側副靭帯が膝をロックし固めることになり、基本、膝の内外旋は起こりません。内側側副靭帯は関節包にぴったりくっついていますが、外側側副靭帯と関節包との間にはすき間があります。膝が曲がると、このすき間分の余裕が生まれ、外旋と内旋が可能になるのです。膝は伸びていると安定していて、曲げると不安定になるとも言えます。例えば、膝の曲げ伸ばしの際に、つま先方向と違った方向に膝が曲がると、不安定な状態で膝に強いねじれの刺激が入ることになり、スポーツ障害のリスクが高まるのです。膝が十分に伸びないとか、曲がらないという状態は把握しやすいのですが、内旋、外旋の動きに偏りが生じていることには気づきにくいものです。内旋、外旋が偏りなく十分にできるということは、半月(半月版)の良好なコンディションもあらわしています。膝のコンディションを把握するためにも内旋と外旋をチェックしてみてくさい。

膝を曲げた時だけ外旋、内旋できる

膝が曲がった状態

膝が曲がった状態【スポーツ障害予防の教科書】

膝が伸びた状態

膝が伸びた状態【スポーツ障害予防の教科書】

4つの膝(下腿)の基本運動

①屈曲⇔②伸展
③外旋⇔④内旋

4つの膝(下腿)の基本運動【スポーツ障害予防の教科書】

出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』

【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人

スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。