本山式感覚神経トレーニングで認知機能はここまでよみがえる!
私が考案した「本山式感覚神経トレーニング」は、働きの鈍った感覚神経を再生させる筋力トレーニングです。このプログラムを20年以上指導してきた中で、1000人以上のMCI、認知症初期の方たちが正常な認知機能を取り戻しました。
以下のデータはその一例です。この調査では70歳以上のMCIの方、同様の健常者の方を対象として、筋トレ前後の認知機能の変化を比較しました。週1回のペースで45分間の運動メニューを合計11回、3カ月にわたって行ったものです。
その結果、どちらのグループにも認知機能の改善が見られました。とくにMCIの方たちは、全員の認知機能が健常者レベルとなり、記憶能力が筋トレ前の2.5倍にもなったのです。健常者のグループでも1.5倍の記憶能力の向上が見られ、一般の方にもこのトレーニングが有効であることもわかりました。
本書で紹介する「本山式認知機能改善30秒スクワット」は、この実績ある運動プログラムのエッセンスを詰め込んだものです。感覚神経の感度を上げたい方、認知機能の改善をはかりたい方は、ぜひお試しください!
トレーニングですべての認知機能がめざましく向上
▪MCIの高齢者 トレーニング前後の認知機能
▪一般の高齢者(健常者) トレーニング前後の認知機能
※出典:『臨床スポーツ医学』2012年6月号(文光堂)
【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸
【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸
「約束の日時を間違える」「今言ったばかりなのに覚えていない」――。
そんな認知症の初期段階や軽度認知障害(MCI)なら健常者レベルまで脳機能は戻せる!
認知症予防・改善専門の運動療法士が教える、奇跡の30秒スクワット!
「日時がわからなくなる」「食べたものが思い出せない」「今言ったばかりのことを覚えていない…」――。
認知機能の低下に気づくきっかけはさまざまですが、「なんだか最近記憶力が悪いかも…」と自分で自覚している人はもちろん、高齢の家族と接していると、「前より少しおかしい……」と違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
それはもしかしたら認知症の初期段階、もしくは“認知症グレーゾーン”と呼ばれる『軽度認知障害(MCI)』という認知症の前段階かもしれません。
軽度認知障害は何もしなければそのまま“4年以内には50%、6年以内には80%が認知症になってしまう”と言われる状態ですが、その段階、もしくは認知症になっても初期段階であれば認知機能を健常者レベルまで戻せる方法があります。
それが、認知症改善専門の運動療法士である著者が教える、『認知機能改善30秒スクワット』です。
著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。
感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
トレーニングと聞くとつらそうなイメージもありますが、30秒だけでもしっかり感覚神経に刺激が入り、認知機能の改善に繋がるように開発されたのがこのスクワットです。
太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
公開日:2024.12.27