65歳以上の4人に1人が認知症を患う時代がきた
「人の名前が出てこない」「覚えたことをすぐに忘れる」。そんな悩みをもっている方が、高齢化社会の日本で増え続けています。
※厚生労働省研究班の調査・推計によると、2022年の時点で65歳以上の認知症の方は443万人、同じく軽度認知障害(以下、MCI)の方は559万人でした。両方を合わせた1002万人という数字は、65歳以上の人口の27.8%にあたり、およそ4人に1人が認知症または認知症予備軍になっていることになります。
こうした傾向は日本だけではありません。WHO(世界保健機関)の2023年3月の発表によれば、現在、全世界の認知症患者数は5500万人を超え、毎年およそ1000万人の新規発症者を生んでいるとのことです。
下のグラフをご覧ください。これはOECD(経済協力開発機構)が加盟国の認知症患者数を調査したもので、日本の認知症患者数は世界有数となっています。その背景には食生活の欧米化、運動不足などのほ、体への負担が少ない生活様式が、感覚神経の機能低下を招くことも大きな理由ではないかと考えられます。
日本の認知症患者数は世界トップクラス
世界的な認知症患者数の比較(全年齢の人口1000人あたり)
日本に認知症患者が多い理由
- 平均年齢(寿命)の高さ
- 食生活の欧米化
- 運動不足
- 高齢者の社会的な孤立
- 体への負担が少ない生活様式
認知症になる方が増加傾向にあるのは、体にラクをさせる、過保護なほどの生活がその元凶のひとつと考えられています。
【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸
【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸
「約束の日時を間違える」「今言ったばかりなのに覚えていない」――。
そんな認知症の初期段階や軽度認知障害(MCI)なら健常者レベルまで脳機能は戻せる!
認知症予防・改善専門の運動療法士が教える、奇跡の30秒スクワット!
「日時がわからなくなる」「食べたものが思い出せない」「今言ったばかりのことを覚えていない…」――。
認知機能の低下に気づくきっかけはさまざまですが、「なんだか最近記憶力が悪いかも…」と自分で自覚している人はもちろん、高齢の家族と接していると、「前より少しおかしい……」と違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
それはもしかしたら認知症の初期段階、もしくは“認知症グレーゾーン”と呼ばれる『軽度認知障害(MCI)』という認知症の前段階かもしれません。
軽度認知障害は何もしなければそのまま“4年以内には50%、6年以内には80%が認知症になってしまう”と言われる状態ですが、その段階、もしくは認知症になっても初期段階であれば認知機能を健常者レベルまで戻せる方法があります。
それが、認知症改善専門の運動療法士である著者が教える、『認知機能改善30秒スクワット』です。
著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。
感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
トレーニングと聞くとつらそうなイメージもありますが、30秒だけでもしっかり感覚神経に刺激が入り、認知機能の改善に繋がるように開発されたのがこのスクワットです。
太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
公開日:2025.01.01