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認知症患者の60%以上がアルツハイマー型認知症【認知機能改善30秒スクワット】

Text:本山輝幸

認知症患者の60%以上がアルツハイマー型認知症

認知症とは「脳の神経細胞の働きが衰えることで認知機能(記憶、判断力など)が低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態」です。ひと口に認知症といっても、その原因や病状はさまざまで、大きく4つに分類できます。

※本書はアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の方を対象としています。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も患者数が多く、脳血管性認知症との合併型を合わせると全体の60%以上を占めます。脳の神経細胞にたまった「アミロイドβ(ベータ)」というたんぱく質が神経細胞を壊し、脳の萎縮(縮む)が起きて発症します。

特徴と症状

  • 昔のことは覚えているが、最近のことは忘れる
  • 軽い忘れ物のような症状から始まり、行動そのものを覚えていない
  • 時間や場所の感覚がない、徘徊(はいかい)、失禁、性格の変化

レビー小体型認知症

レビー小体という特殊なたんぱく質が脳にたまり、脳の神経細胞を破壊することで発症します。レビー小体が脳にたまる原因は未解明です。

特徴と症状

  • 現実にはないものが見えるなどの幻視の症状
  • 妄想に発展し怒り出す
  • うつ病や睡眠時の異常行動
  • 手足の震えや体のこわばり、歩行障害

脳血管性認知症

認知症全体の約20%の患者さんがこのタイプです。脳梗塞などの脳血管障害によって脳細胞への血流が阻害され、脳細胞の一部が死んで発症します。

特徴と症状

  • 障害を起こした脳の部位によって症状は異なる
  • 歩行障害、手足のしびれ、言葉が出にくい、意欲低下、不眠
  • 血管障害を再発する度に症状が重くなる(再発しなければ進行しない)

前頭・側頭型認知症

脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで発症します。50~60代に多く、10年以上かけてゆっくりと症状が進行していくケースがほとんどです。

特徴と症状

  • 感情の抑制が利かない
  • 万引きなど社会のルールが守れなくなる
  • 性格がガラリと変わる
  • 時間や場所にこだわり、同じ行動を頑固に続ける

【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸

【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸


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そんな認知症の初期段階や軽度認知障害(MCI)なら健常者レベルまで脳機能は戻せる!
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認知機能の低下に気づくきっかけはさまざまですが、「なんだか最近記憶力が悪いかも…」と自分で自覚している人はもちろん、高齢の家族と接していると、「前より少しおかしい……」と違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
それはもしかしたら認知症の初期段階、もしくは“認知症グレーゾーン”と呼ばれる『軽度認知障害(MCI)』という認知症の前段階かもしれません。
軽度認知障害は何もしなければそのまま“4年以内には50%、6年以内には80%が認知症になってしまう”と言われる状態ですが、その段階、もしくは認知症になっても初期段階であれば認知機能を健常者レベルまで戻せる方法があります。
それが、認知症改善専門の運動療法士である著者が教える、『認知機能改善30秒スクワット』です。
著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。

感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
トレーニングと聞くとつらそうなイメージもありますが、30秒だけでもしっかり感覚神経に刺激が入り、認知機能の改善に繋がるように開発されたのがこのスクワットです。
太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。

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