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世界的に加熱している宇宙競争!月の資源はだれのものなの?【眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話】

Text:渡部潤一

世界的な宇宙ビジネスの加熱で宇宙法が改定

地球の資源には限りがあります。その意味でも、豊富な資源があると考えられている月や火星などの探査を進め、利用可能な資源を探し求める動きは加速しています。アメリカやヨーロッパの国々では、小惑星の資源を採掘するための宇宙資源採掘のためのベンチャー企業などがいくつも立ち上がっています。また、中東の産油国でも小惑星に存在する水を中心とした宇宙資源開発のための投資が加速しています。

今、端緒についた宇宙の資源開発ですが、今後開発が進んで宇宙の鉱物資源などを地球に持ち帰って利用する際に問題になるのが、「宇宙資源はだれのものか」ということです。宇宙は全人類に属するものですが、宇宙空間とその利用に関しては、1967年の宇宙条約を基本に国内および国際宇宙法として法律がつくられており、資源採掘については、2015年にアメリカのオバマ政権が宇宙法を改定。アメリカの民間企業が採掘した宇宙の物質に対して、アメリカとしての権利を認めるという条項を承認しました。

日本でもアメリカ、ルクセンブルグ、UAEに続いて、2021年6月に民間企業が宇宙空間で採取した資源について所有権を認めることを定めた宇宙資源法(宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律)が国会で成立。

これに伴い、民間による宇宙の鉱物や水などの探査や開発が許可制で認められることとなりました。これまでの宇宙開発、探査は国主体で行われていたのに対し、これからは世界的に民間企業による宇宙事業がさかんに行われるようになると考えられています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』 著:渡部潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの?」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「宇宙はどんな構造?いくつもあるの?」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!

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