交感神経と副交感神経のせめぎ合いが原因!
膀胱の容量は性別や体格差もあり、人によって250〜600ミリリットル(㎖)とさまざまですが、平均しておよそ470㎖といわれています。成人の場合、1日に1200〜1500㎖の尿がつくられ、膀胱に200〜300㎖ほどたまると尿意が起こります。
尿意をコントロールしているのは、体内の環境を整える「自律神経」です。自律神経は、自分の意志ではコントロールできない神経で、「交感神経」と「副交感神経」に分かれて相対する役割を果たしながら、体のバランスをとっています。
交感神経が働いているときは、膀胱も柔軟に膨らみ尿意を感じるまで容量も増え、尿道もしっかり締まっています。膀胱がいっぱいになって尿意が起こり、副交感神経が働くようになると、今度は膀胱の排尿筋が強く収縮して尿道の緊張が緩ゆるみ、排尿の準備が整うのです。
排尿OKとなると、脳の指令で尿道括約筋も緩んで排尿されます。ところが、緊張すると自律神経のバランスが崩れ、通常よりも少量で尿意を感じてしまうことがあります。これが、緊張するとトイレが近くなる一因です。
また、膀胱はとくに感情の影響を受けやすく、ストレスを感じることで膀胱が収縮するため、少量でも尿意を感じるようになるともいわれます。
トイレを我慢するクセがついてしまうと、膀胱炎や腎盂炎などのリスクが高まるため、すぐにトイレに行けない場合は、できるだけ珈琲などの利尿作用のあるカフェイン類をとらないようにします。
なお、一般的な排尿の回数は、朝起きてから寝るまでの間に5〜7回程度といわれています。昼間8回以上、夜間に2回以上トイレに行くようなら頻尿と考えられるので、医師に相談しましょう。
出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志
「頭のよさは脳の大きさと関係ない?」「別腹は本当にある?」「恋愛は3か月で冷める?」「薄毛も肥満も遺伝のせい?」ーー科学が発達した現在でも「人体」は多くの謎と不思議に包まれ、最も身近で興味深く関心の高いテーマです。本書では、最新データや研究にも触れながら、人体のナゾとフシギを解き明かします。実際に役立つ知識と情報満載の1冊!
公開日:2021.10.19
オススメ記事
PREVIEW
聖武天皇が大仏建立を懇願した切実な理由とは!?【日本史】