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大晦日は起きていないと白髪やシワが増えて老け込むって本当?【図解 日本のしきたり】

Text:千葉公慈

新年を迎える前日は歳神様の到着を待つ1年で最も大切な日。

旧暦でいちばん最後の月を三十日月といい、「晦日」はもともと「三十日」と書きました。これが転じて各月の最後の日が「晦日」と呼ばれるようになり、12月31日は1年の最終日となるので「大晦日」となりました。また、これとは別に、1ヶ月の最後の日は月の姿が隠れて見えなくなることにちなむ「つごもり」という呼び名もあります。月が隠れてしまい見えないことを意味する「月隠」が転じたもので、1年の最終日は「大つごもり」ともいいます。

この1年最後の日から新しい年の元旦(正月1日の朝を指す)までの間を「年越し」と呼び、年を超える境目は「除夜」といわれ、旧年の災いを除くということを意味します。旧暦では日の入り(日没)から1日が始まると考えられ、除夜は新年ということになり、歳神様を迎える日の出までに前の年の罪を消滅させる除夜の鐘がつかれました。

年越しの夜は歳神様をお迎えして歳魂をいただくため、一晩中起きているのがしきたりでした。新年の準備をすべて済ませ、身と心を清めて歳神様が降りてこられるのを待ちます。この夜に早寝をすることは歳神様に失礼にあたると考えられ、白髪やシワが増えて老け込むという言い伝えがあるそうです。そんなことにならぬよう、新年の幸運を歳神様からしっかり受け取れるよう、ここはせめて除夜の鐘が鳴り終わるぐらいまでは起きておくとしましょう。

『図解 日本のしきたり』はこんな人におすすめ!

・お正月飾りは何のためにするのか?
・初詣に行く新年のならわしはなぜあるのか?
・運気を上げる日本のしきたりには、どんなものがあるのか?

と感じている方には大変おすすめな本です。

「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿などを祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式などにまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章、左側に図解で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!神が依る桜で運気アップ!“お花見”

桜の開花予想から満開までが連日ニュースで報道されるほど、桜の開花はかなり重要な関心事となります。桜の開花が宣言されると今度は満開予想に続き、北上する桜前線を追います。それほど日本人にとって特別な花である桜。日本最古の歌集『万葉集』にも桜の美しさを詠んだ歌が納められ、奈良~平安時代には桜は人々を魅了する花だったことがうかがわれます。しかし花見が広く庶民の楽しみとなったのは、江戸時代になってから。八代将軍・徳川吉宗が飛鳥山(現在の北区)や隅田川の土手(墨田区)などに桜を植樹し、江戸庶民たちが弁当持参で花見に出かけ宴会を楽しむようになりました。桜の代名詞であるソメイヨシノや、花見団子が登場したのもこの頃といわれています。

一方農民たちの間では、春の農作業の前に田の神様を迎える花見が古くから行われていました。春に山から降りてくる神様が田の神様となり、桜に依ると考えられていたからです。桜の「サ」は田の神様を、「クラ」は神様の座る場所の「御座」を意味し、桜は神様の依りしろとされました。花の咲き具合でその年の稲の豊作を占い、満開の桜に豊作を祈願しました。農民にとっての花見は、稲の実り具合に関わる大切な年中儀礼だったのです。そしてこれこそが、花見をするルーツともいわれます。桜の季節にはぜひとも花見をしてその年の吉凶を占い、運気アップにつなげましょう。

1月7日に七草がゆを食べるのはなぜ?ヘルシーなしきたり“七草がゆ”

「七日正月」ともいわれる1月7日は、五節句のひとつ「人日の節句」です。6日の夜から7日の朝までを「六日年越し」「六日年取り」と呼び、正月七日の朝には7種類の若菜を炊き込んだ七草がゆを食べます。若菜の生命力を体の中に取り入れて、無病息災を祈りました。七草がゆは、中国の官吏が昇進の決まる1月7日に薬草の若菜を食べて立身出世を願ったのがそもそもの始まりといわれています。それが日本に伝わり、平安時代に宮中行事として行なわれるようになりました。当時は七草を汁に入れて食べるならわしでしたが、やがてかゆに入れて食べるようになり、江戸時代には幕府の公式行事に取り入れられました。一般家庭に七草がゆの風習が広まったのもこのころです。

6日の昼に七草を摘んで、7日の朝の朝食として食べられました。春の七草は地域で多少異なりますが「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」と和歌で歌われるこれらが一般的です。七草を調理する際には、できるだけ大きな音を立ててまな板をたたき、刻むのがしきたり。お囃子まであるそうです。実はこうすることで七草の栄養価を引き出し、余すことなく体内に取り入れる効果も。青葉の少ない冬場のビタミン補給と、お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわる先人の知恵の詰まった七草がゆで、体の中の健康パワーをチャージしましょう。

日本のしきたりについてもっと知りたくなる興味深い内容が満載!

★春のお彼岸は、あの世とこの世が大接近!?
★お中元は神様へのお供え物だった!
★最強の月パワーお月見(十五夜)
★大晦日は寝ずに歳神様を待つ!?

などなど気になるタイトルが目白押し!

ほかにも、つい誰かに話したくなるようなトピックが満載!知ってそうで知らない、また知ってはいるけど意味までわからない、また意外な風習などを集め、楽しく学べるよう、親しみやすいイラスト図解でお届けします。日本人ならちゃんと知っておきたい「しきたり」や「文化」など知識がビジュアルでまるわかり!

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』
千葉公慈 監修

「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿などを祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式などにまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!

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