打ったらクラブを全力で戻すと飛ばしの能力がアップする
飛距離アップにはクラブを速く連続で振ってヘッドスピードを出すというのは一つの方法ですが、根本原理はシャフトのしなりをしっかり入れることであり、そこがわかっていないと本当の意味での飛距離は身に付きません。
またそうは言っても、アマチュアの人たちはどうしてもボール位置で、フェース面をうまく合わせようとしてしまい、そのまっすぐ合わせようとする動作をすることによって、結果的に減速しながらボールをとらえている方が多いのです。
クラブの動きはインパクトに向かって加速してきて、インパクトの衝撃でボールに当たった後に、減速していくというのが正しいのですが、多くの方は当たる前に減速してボールに合わせてしまいます。
この合わせる動作をなくすために練習していただきたいのは、ボールを打ったら全力で元にあるティーを打つという「振り戻しドリル」です。
打った後に全力でティーを打たなければならないという意識があると、体が先行する、体が開く、ヘッドが振り遅れてくるなど、シャフトが早めにほどけるような動作がなくなってきます。
ですから飛距離が出ずに悩んでいる人は、打ったら全力で戻すという動作をぜひやってみてください。
腹筋や体幹をかなり使わないと戻すことができませんが、それくらいインパクトのときに、体のエネルギーがぐっと縮まることによって、クラブヘッドがボールに強く当たってきます。
このドリルはクラブを戻すことが前提なので、戻そうと思ったらその途中の過程は脳から消えますから、ボールに対して合わせるという反応がなくなります。ただ単に連続で素振りするだけではなく、全力で打って全力で戻すという練習をすると、驚くほどヘッドスピードが上がると思います。
出典:『最強インパクトを作る うねりスイング(世界基準のゴルフを身に付ける!)』著/三觜喜一
【レッスンプロ/出演者情報】
●三觜喜一
1974年神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。1999年よりジュニアを精力的に指導。独自のエクササイズやドリルが多くのゴルファーから共感を得ている。辻梨恵をはじめ多くのツアープロも指導。2014年、日本プロゴルフ協会ティーチングプロアワード功労賞受賞。
【書誌情報】
『最強インパクトを作る うねりスイング(世界基準のゴルフを身に付ける!)』
著者:三觜喜一
「ゴルフスイングの習得には、スイング中の4つの連続動作を行うことが重要」という、著者のスイング理論を数多くのカラー写真を交えてわかりやすく紹介。写真の他に、QRコードで連続動作がよくわかる動画が見られる! また、「うねりドリル」「かご練」など、スイング作りに不可欠な著者独自の練習ドリルも収録。ベストセラーとなった著者の前著『ゴルフは直線運動で上手くなる! 』を補完する、スイングメソッドを完全解説し、B5判という大きな紙面、300ページ近い本書は、ゴルフ初心者から経験者のスイングの見直しに必ず役立つ一冊だ。
公開日:2023.02.09