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日本球界で浸透する前からチェンジアップを投げていた!堀内恒夫

がつプロ変化球大事典〜チェンジアップ編〜

変化の仕方から握り、歴史、使い手で全て教えます!

知っているようで知らない、奥深き変化球の世界を「がっつり!」掘り下げる。現代野球の象徴的変化球であり、多くの投手が使用するチェンジアップだ!

『チェンジアップ』の歴史と現在地

『現代野球で最も重宝される変化球のひとつ』

チェンジアップの起源は1800年代後半にプレーしたティム・キーフだと言われているが、当時はまだ単純に打者のタイミングを外す「スローボール」といった扱いだった。その後、野球技術の発達とともに「速球と同じ腕の振り」が重要視されることになるが、当初はあくまでも打者のタイミングを外す見せ球的な扱いで、このボール自体を決め球に使う投手はほとんどいなかった。特に日本球界では「チェンジアップ」が浸透するのが遅く、変化球として認識されるようになったのもここ20年前後。古くは元巨人の堀内恒夫がアメリカで習得し、自身の持ち球としていたが、堀内恒夫の決め球といえば縦に大きく割れるカーブ(ドロップ)という印象が強いうえ、日本にはまだチェンジアップの概念がなかった(同じようにタイミングを外す球種はスローボールやチェンジ・オブ・ペースと呼ばれた)ため、浸透することもなかった。


しかし近年、肩ひじへの負担が少ないこと、握りを変えるだけで投げられることなどから多くの投手がチェンジアップを習得。日本球界でも多くの投手がチェンジアップを持ち球にするようになった。特に、速い球種しかもっていない投手、もしくは落ちる球種を持っていない投手などが新たに習得を目指すケースが多く、プロ入り後に新たにチェンジアップを持ち球とする投手も少なくない。例えば、楽天のクローザー・松井裕樹は高校時代、直球とスライダーを武器にする投手だったが、プロ入り後は年々チェンジアップの投球割合が増え、今では「決め球」といっていいほど多投している。巨人の杉内俊哉も高校時代からプロ入りまでは直球とスライダー、カーブが主な球種だったが、プロ入り後には屈指のチェンジアップ使いとして知られるようになった。チェンジアップ全盛期といってもいい現代。今後も、この球種を習得する投手は増えていきそうだ。

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