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精進落としと遺骨迎えとは?還骨法要の僧侶へのお車代とお膳料についても解説【増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック】

Text:奥田 周年

精進落としと遺骨迎え

火葬後の遺骨迎えと還骨法要

かつては、火葬が済んだら自宅に僧侶を招いて「還骨法要」を行い、亡くなった日から数えて7日目に初七日法要を行っていました。

しかし、現代では初七日法要は葬儀・告別式の式中に行われ、出棺と同時に僧侶が式場を後にして還骨法要が行われないなど、法要が簡略化される傾向にあります。

遺骨が自宅に帰ったら、後飾り祭壇(⇒P78) に安置して、家族だけでも還骨法要としての焼香をしましょう。

くり上げ初七日法要

くり上げ初七日法要

初七日法要は、本来は亡くなってから7日目(逝去日も含める)に行うものです。葬儀や告別式と日にちが近くなるため、遠方の親族が多くなった現代では、くり上げて葬儀・告別式と同じ日に行うことが多くなっています。

式中、あるいは火葬後に行うことが多いので、いつ行うかは僧侶と相談しておきましょう。

骨葬について

火葬を先に済ませて遺骨で葬儀を営むことをいいます。葬儀当日の午前中に火葬、午後から葬儀・告別式を遺骨で執り行う地域もあります。

精進落としの意味合い

火葬後には、会食の席として精進落としを設け、僧侶や親族に対して、ねぎらいの意味で酒食をふるまいます。本来は忌明けである四十九日に行っていたものですが、初七日の法要と同様にくり上げて、火葬後に行うようになっています。

精進落としでは全員が揃ったところで、喪主はお葬式が滞りなく終わったことへのお礼のあいさつをします。

出棺のあいさつのように形式ばらなくてもよく、感謝の意を伝える程度でかまいません。献杯の音頭は事前に親族代表者などに依頼しておきましょう。

精進落とし

精進落とし

火葬、初七日のくり上げ法要の終了後に行う会食を「精進落とし」といいます。招くべき人は、僧侶や親族で、近年は慰労や会葬への感謝の意味合いが強くなっています。

精進落としは1時間半程度を目安にしてお開きにしましょう。地域によっては、粗品を用意する場合もあります。

料理は仕出しなどを利用して自宅や会場で行う場合と、料理店などに移動して行う場合があります。

遺骨迎えの準備

自宅に遺骨を持ち帰る場合は、遺骨を安置するための後飾り祭壇を葬儀社に設置してもらいます。設置場所は家族が集まる居間などで、納骨までの間、もしくは仮安置先が決まるまで、遺骨を安置します。弔間客にはここで焼香してもらうようにします。

地方によっては、葬儀・火葬と同日中に納骨も行います。その場合、遺骨迎えをする必要はなくなります。

後飾り(仏式)

後飾り(仏式)

後飾り(仏式)2

後飾りの祭壇は、仏壇があればその前か横に設置します。祭壇用に2~3段程度の台を用意し、白布をかけます。遺骨、位牌、遺影、生花、燭台、香炉、鈴、水、供物などを置きます。

燭台、鈴は仏壇のものを使用してもかまいません。

還骨法要

還骨法要

遺骨を家に迎え入れる儀式ですが、現在はほとんど行われず、遺族や親族だけで焼香をするケースがほとんどです。還骨法要は宗派によって呼び名が変わり、浄土真宗では「還骨勤行」、曹洞宗では「安位諷経」、臨済宗では「安骨諷経」といいます。

後飾り祭壇に遺骨や位牌、遺影を安置したら、僧供にお経をあげてもらいます。読経中あるいは読経の後に喪主から順を追って焼香していきます。

Tips 僧侶へのお車代とお膳料

僧侶へのお車代とお膳料

精進落としは、僧侶へのねぎらいの意味もあるので、事前に声をかけておきます。辞退された場合は、代わりにお膳料を渡します。タクシーを手配するなどの送迎を行わないときは、お車代も別に包むようにしましょう。

相場は、僧侶1人につき、お車代は5千~1万円、お膳料は1万円です。

【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年

【書籍情報】
『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』
著:奥田 周年

身内が亡くなった場合、悲しむ間もなく遺族として葬儀や相続などさまざまな手続きをこなさなければなりません。本書『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』は、危篤の対応から相続する場合に心得ておきたい知識まで、事例や図解を交えながらわかりやすく解説しています。将来に向けて事前に準備をしておきたい方だけでなく、すでに相続が発生していて不安を抱えている方も、流れをイメージしながら必要な手続きについて知ることができる1冊です。

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