ヨブスマソウ キク科
大きくて美味しいキク科山菜の王様
北日本に分布するキク科の多年生草本。茎の太さ数cm、草丈2m以上に及ぶ大型の野草で、数十cmに成長しても先端は柔らかく利用することができる。オオイタドリの群落の中に混ざって生えていることが多く、パッと見は似ているが若い葉の形状が三角形であることで判別できる。ヨブスマとはムササビのことで、若葉の形状をこれに例えた。野草としてはボンナと呼ばれるが、中空の茎を折ったときにボンと音がするためだそう。ウドとフキの合わさったような山菜といわれ、素晴らしい歯ごたえとキク科特有の香りがあり非常に美味しい。
● 採れる場所:里山
折りたたまれたような若葉が特徴的
直立して伸びる太い茎に三角形の葉がついている芽出しの形はユニークで、同じ属のイヌドウナやコウモリソウ(いずれも食用)以外に似ているものはない。1本でかなりのボリュームになるのでありがたい。苦みがあるので、好みによって水さらしの時間を変えたい。
【出典】『野草・山菜・きのこ図鑑』著:茸本 朗
【書誌情報】
『野草・山菜・きのこ図鑑』
著:茸本朗
本書は、野草好きのYouTuberである著者が「食べたい草」に焦点を当てた異色の山菜図鑑。学者ではない著者が、自分の実体験に基づき、美味しい野草だけを厳選して紹介しています。ありふれた山菜図鑑とは一線を画し、実際に採取しやすく、利用価値の高い草を紹介する実用書として完成。野草採取の初心者にとってもわかりやすい内容で、自然と触れ合い、食べる楽しさを伝える一冊です。
公開日:2024.10.20