2時間で読める教養の入り口「学びのきほん」の最新刊が登場。
2024年11月9日に発売となった『NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学』では、精神科医で一橋大学教授の宮地尚子さんが、トラウマ研究の第一人者として現代に特有の「傷つき」の背景を分析しながら、数十年培ってきた専門的知識を初めて私たちの日常生活に落とし込んで解説します。
『NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学』内容紹介
SNSの多様化、リモートワークの普及、デジタル社会の加速――。人と人との距離感が変わりつつある現代では、誰もが多くの「傷つき」を経験します。自分と他者はなぜ傷つき合い、それはどのように癒やせるのでしょうか。トラウマ研究の第一人者が、現代に特有の「傷つき」の背景を分析し、「レジリエンス」「エンパワメント」「ポスト・トラウマティック・グロウス」など、数十年培ってきた専門的知識を初めて私たちの日常生活に落とし込んで解説します。
「はじめに」より
私たちは、なぜいま「傷つき」について考えていく必要があるのでしょうか。それは、人間はひとりでは生きていけないから、ということに尽きます。ひとりでは生きていけない、だから他の人間と関係をつくっていくしかない。けれども、その人間関係のなかで、たくさんの傷つきが起きてきます。
そして人間関係をめぐる環境は現在、大きく変わりつつあります。今回はそのひとつとして、リアルとオンラインの両方の世界を私たちは行き来して生活するようになったという話をしています。
「はじめに」を、NHK出版デジタルマガジンにて公開開始
『NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学』構成
はじめに
第1章 傷つきやすい時代
「傷つき」をめぐる環境の変化/「傷つき」って何?/世界中に晒される可能性/他者に
よる一方的な評価/ふたつのコミュニケーション/鳴り続ける椅子取りゲームの音楽
第2章 「傷つく」と「傷つける」
隠れている傷つき/傷つきを整理する/所属と愛の欲求/承認欲求と自己実現欲求/大
事なのは「弱さの情報公開」/「傷つける」機会も増えている/自分の加害性に目を向け
てみる/付箋のような人間関係
第3章 傷つきの練習
わかってもらえない孤独感/傷つきは避けられない/傷ついたときこそチャンス/必ず
回復する、いつか終わる/「レジリエンス」を信じる/心の内をさらけ出してみる/自分
と他者はズレがあって当然/傷つきを耕す/「傷ついた」と言われたら/「傷つけ」の練習
第4章 傷つきを癒やすには
回復の始まり/傷を語り始めること/「セルフ・コンパッション」の有効性/安全な空間
と時間を確保する/記憶に向き合うかどうか/「向き合う方法」と「やり過ごす方法」/
身体に働きかける/自分の力を思い出す/ただ寄り添う
おわりに
著者
宮地尚子(みやじ・なおこ)
一橋大学大学院社会学研究科教授。1986 年京都府立医科大学卒業。1993 年同大学院修了。専門は文化精神医学・医療人類学。精神科の医師として臨床をおこないつつ、トラウマやジェンダーの研究をつづけている。著書に『トラウマ』(岩波新書)、『ははがうまれる』(福音館書店)、『環状島= トラウマの地政学』(みすず書房)、『傷を愛せるか』(ちくま文庫)など。
商品情報
書名:NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学
著者:宮地尚子
出版社:NHK出版
発売日:2024年11月9日
定価:825円(税込)
判型:A5判並製
ページ数:112ページ
ISBN:978-4-14-407321-2
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064073212024.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4144073211/
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公開日:2024.11.11