徳島ガンバロウズの絶対的司令塔・塚本雄貴選手に直撃インタビュー第2回
NBA挑戦中の河村勇輝選手(メンフィス・グリズリーズ)の活躍や、パリ五輪での日本代表の奮闘など、日本の「バスケ熱」が高まっています。国内プロバスケットボールリーグ・Bリーグも同様で、開幕9シーズン目を迎えた今季はB1人気クラブの主催試合チケットがプレミア化するなど、その人気は右肩上がり。こういった流れは1部に該当するB1のみならず、B2、B3にも波及しています。
『ラブすぽ』では今回、現在B3を舞台に戦う徳島ガンバロウズに取材を慣行! Bリーグ初参入となった昨シーズン、いきなりレギュラーシーズン5位でプレーオフに進出する快挙を達成したクラブでもある徳島から、チームの絶対的司令塔である塚本雄貴選手のインタビューをお届けします!
【全3回の第2回】
――開幕から約2カ月が経ち、徳島としてもB3参戦2シーズン目の「戦い方」が見えてきた時期だと思います。チームの司令塔として、まずはここまでの戦いを振り返ってもらえますか?
塚本 開幕当初、ケガ人が出ながら選手を補強したり、戦い方を変えたりしながらも沈むことなく、やれているのは大きいと思います。そのうえで感じるのは、近年のB3のレベルの高さです。楽な試合なんてひとつもない。まだシーズンは始まったばかりですが、ひとつの負けで順位が一気に変わる。そういう各クラブ間の熾烈な順位争いが、過去数シーズンと比較してもかなり激しくなっている印象が強いです。
――B1からB3まで含めたリーグ全体、もっと言えば日本バスケ界のレベルそのものが底上げされている実感がある?
塚本 それは間違いないと思います。同時にB3に所属する外国籍選手のレベルも格段に上がっていると思います。ウチで言えばデイブリオン・ドーソンだったり、個人的に気になっているのはトレイ・ボイドⅢ選手(横浜エクセレンス)、クレイ・マウンス選手(岩手ビッグブルズ)だったり、ゲームを完全にドミネイト(=支配)できる選手がB3の舞台にも入ってきた。それに比例して、日本人に求められるレベルも上がってきていると感じます。
――というと?
塚本 たとえば、これは自分たちにも起きる現象なんですけど、「打つのを待つ=外すのを待つ」というのが戦術としてあって。そういう、めちゃくちゃ引いて守って「どうぞ打ってください」というシチュエーションになったとき、日本人にもこれまで以上にシュートの成功率が求められる部分が間違いなく増えたんですね。これは徳島だけじゃなくB3全体に言えることだと思うんですけど、要はB3が新たなフェーズに入っている、ということなのかなと。
――その意味では塚本選手も移籍した昨シーズンからシュート成功率、特に3ポイントの成功率がグンと上がっていますよね。
塚本 チームとして3ポイントがコンセプトとしてあります。個人的にもプロに入って「こんなにやるか」というくらいシューティングはやったので、それが数字につながっていると思います。
――個人的にも「武器になる」と言っていいくらい伸びている?
塚本 少しずつ自信はついてきました。B3だけでなくB1、B2も含めて、今はガードに決定率が求められるようになっていると思うんです。たとえばディフェンスに長けた選手にも、それだけじゃない+αが必要。B1で活躍するガードの選手も、「ディフェンスもできるし、オフェンスではこういうこともできる」という存在じゃないと生き残れないのかなと。これまでのB3は正直、そこまでのレベルではなく「ディフェンスはできるけど……」「成功率は高いけど……」みたいな選手が多かったと思うんです。ただ、先ほど言った「次のフェーズ」にもつながりますが、今はB3でもそれ以上が求められている気がしています。
【第3回へ続く】
写真・徳島ガンバロウズ提供
文・花田雪
公開日:2024.12.03