左ひざを思い切って伸ばしていこう
「抜重」にともなって左ひざが伸びる動きは、股関節を左上に切り上げていきます。この動きは、「腰を切る」というような表現がされる場合がありますが、腰を意識して能動的に切る(回す)というよりは、左ひざが伸びることによって左の骨盤が押し上げられるイメージのほうが適切でしょう。
このとき、左足はかかと側に体重が移りながら、お尻が少し後ろに突き出されるように動くことによって上体の前傾は維持され、左足が伸びてもトップするようなことはなく、しっかりとボールをとらえることができます。
古いスイングメソッドでは「左ひざを伸ばすな」と指導されることが多かったと思いますが、この点においては、「地面反力」を使うためにはそれでは不十分です。実際には、往年の名選手にも、ゲーリー・プレーヤーのように左ひざを伸ばす選手はいました。左ひざを伸ばすことは、決してタブーではないのです。
【書誌情報】
『フォース理論で飛ばす! 世界基準の飛距離アップ術』
著者:吉田洋一郎
飛距離アップの方法として、腕力に任せてクラブを思い切り振ること、そのために筋力トレーニングが必要と考えるゴルファーが多い。ただ、これは勘違い。飛ばすためには力んで振ってもダメですし、トレーニングによって直接的にスイングがよくなるわけではないのです。だからこそ、筋力に頼らないスイングを目指すほうが効率的といえます。では、飛距離アップには何が必要か。それが本書のテーマである「フォース」なのです。「フォース(FORCE)」とは英語で、「力」という意味。スイングに関わるすべての力で、筋力だけでなく、重力、反力、遠心力など自分の外にあるエネルギー(外力)も含んでいます。この本では、「フォース」を効率的に使ってスイングスピードを上げ飛距離を伸ばす方法を紹介。外力の中でも「地面反力」「遠心力」「反動」「ミッドハンドフォース」の4つに焦点を当て写真、図版を多用して解説しています。また、アマチュアゴルファー4人に著者が実践レッスン。「フォース理論」に基づく指導を1カ月行い、その成果も収録しています。
公開日:2020.07.30