LOVE SPORTS

  • HOME
  • 書籍
  • 若林眞弓さん(前編)|初心者でも描ける!続けられる!今こそ楽しみたい「おとなの絵日記」

若林眞弓さん(前編)|初心者でも描ける!続けられる!今こそ楽しみたい「おとなの絵日記」

塗り絵とイラストの教室を全国で開催されている、イラストレーター・カラーリストの若林眞弓さん。13年描き続けている絵日記がSNSで反響を呼び、「本で読みたい」という声を受けて発売された書籍『センスも時間もいらない おとなの絵日記レッスン』(日本文芸社)には、絵日記をこれから始めたい人に役立つ情報がいっぱいです。今回は若林さんに、初心者にも描きやすい絵の描き方や、忙しくても絵日記を続けるコツ、おすすめの文房具のことなどをたっぷり伺いました。前編・後編の全2回でお届けします。

 
取材・文:齊藤万里子 撮影:天野憲仁(日本文芸社)


 

「絵を描くのが苦手」という人でも、必ず描けるようになる

絵日記に憧れがあるけれど、そもそも絵を上手に描けないから……と、一歩を踏み出せない人もいるのではないでしょうか。しかし実は若林さん自身、本格的に絵を描き始めたのは社会人になってから。塗り絵・イラスト教室受講者の年齢層も、30〜60代のおとな世代で、「絵が苦手だけれど、描いてみたい」と受講される方が多いのだそう。

「絵が苦手な方は『描けない』のではなく、『描き方がわからない』んですよね。描き方がわかれば、誰でも描けるようになりますよ」と、若林さん。

「直線や波線など、線を描いてみるところから始めて、次に丸・三角・四角を描いてみる。そういうものを組み合わせたらイラストになる。物の中に基本の図形を見つけると描きやすくなるよって教えています」

『センスも時間もいらない おとなの絵日記レッスン』より。顔は丸、木は三角、グラスは四角。物の形を基本図形でとらえることがはじめの一歩。

「はじめは短時間で完成できて、配置の面白さを楽しめるものから練習するのがおすすめです。ボタン、どんぐりやチェリー、ミニトマトなど、形がシンプルで立体感を実感しやすいものを1個、または3個配置して描くと良い練習になります。絵日記でしたら、落ち葉やベビーリーフも良いですね。ただ、最初は質感や色にはあまりこだわらずに。少し反った形のものを選び、影をつけると立体的になり楽しいです」

落ち葉や木の実は、絵日記でも活躍するモチーフ。

「描けるものを3つ作る」を最初の目標に

「私はイラスト・ボキャブラリーって言っているんですけど。自分が見なくても描ける自信があるものを3つ作るといいよ、3つ『これなら描ける』っていうものを作ろうねって」

まずは3つ、というのは初心者でも目指しやすい目標ではないでしょうか。例えばペットの絵日記やおやつ絵日記など、テーマを決めると始めやすいですね。

「ちなみに、どうもバランスよく描けない、というときは、描き順を見直してみるといいですよ。以前『パンダを描きたいけれどうまく描けない』という方がいたので、どこから描いているか聞いたら、前足から描いているというので、鼻と口、それから目という順で描くようにしてもらったら、上達されました」

『センスも時間もいらない おとなの絵日記レッスン』では、モチーフごとに順序を追って描き方を解説している。

絵日記におすすめのノートと画材

若林さんは絵日記を描き始めた当初、種類も大きさもばらばらの紙に描いていましたが、途中からスケッチブックやノートを使うようになり、絵日記を描くのがどんどん楽しくなっていったそうです。

「まずは『1冊終わらせる』ことを目標に始めてみるといいですよ」と若林さん。愛用しているのは、「ターレンス」のスケッチブックや、「トラベラーズノート」「モレスキン」のノート。どれもサイズが豊富で、トラベラーズノートとモレスキンは用紙もいろいろあり、自分好みのものを選べるのがうれしいポイントです。

「初心者の方はどれにしようか迷ってしまうかもしれませんが、気軽に描きたいならパスポートサイズや正方形などの小さめサイズがおすすめ。紙はアート紙や画用紙が使いやすいです」

モレスキンはハードカバーの表紙で高級感がある。若林さんは赤を愛用。スケジュール帳にはオリジナルのカバーをつけて持ち運び。

「画材は0.1ミリの黒の水性ペンと、色鉛筆の組み合わせがおすすめです。お好みでペンの色をセピアや青にしてみると変化が生まれますし、万年筆やボールペンを使ってもいいでしょう」

水性ペンと万年筆の線の違い。紙の厚みも用紙によって変わってくるので、描きやすいものを選ぼう。上段はトラベラーズノートの軽量紙、下段はスケッチブックのアートスパイラル。上から万年筆(ラミーサファリF・パイロット色彩雫 天色)、水性ペンのピグマ 0.3(サクラパレス)、コピックマルチライナー 0.1(トゥーマーカープロダクツ)を使用。

次回は、三日坊主にならずに絵日記を続けるコツや、「絵になる」イラストの描き方、絵日記以外にも日常の中で絵を楽しむ方法などをご紹介します。お楽しみに!

【書誌情報】
書名:センスも時間もいらない おとなの絵日記レッスン
著者:若林眞弓

 

【著者紹介】
若林眞弓

イラストレーター、カラーリスト。
島根県生まれ。会社員時代、ストレス解消の手段として色鉛筆に出会い、独学で描き始める。ネットを通じて届く「私も描いてみたい」という声に応えて、2009 年からオリジナルの図柄と塗り方レシピを使った色鉛筆塗り絵の教室を開講。現在は、生活を自分の作品で彩る楽しさを知ってほしいと、島根、東京、大阪、オンラインで塗り絵とイラスト教室を実施している。著書に『ぬりえ彩色レッスン帖』(コスミック出版)、『塗り絵でまなぶ色鉛筆画のきほん 12 色だけで花もお菓子もこんなに描ける』(ホビージャパン)などがある。
ブログ:https://www.belta.jp/art/
Instagram:https://www.instagram.com/bluebelta/

【取材・文】
齊藤万里子
フリーランスライター・編集者。編集プロダクション、出版社勤務を経て独立。元ペット誌編集長の経験を生かし、生きものジャンル中心に活動中。夫と息子とうさぎと暮らす。趣味はライブに行くこと。

  • この記事を共有する!