飛行機の旅はここから始まる! 飛ぶ前のパイロットの仕事とは【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

フライトの準備(その1)

出発時刻の1時間以上前から準備する

整備士の錦密な作業により翼を休めていた飛行機が目を覚ましている頃、パイロットは飛行計画を立てています。

この飛行計画で、飛行機の持つ能力を越えないこと、揺れが少ないこと、そして消費する燃料の量が少ないことなど、安全で快適かつ経済的になるように、目的地までの空の道順、つまり飛行ルート、巡航高度、上昇および巡航速度、必要な搭載燃料の量、飛行機の重さなどを決定します。

飛行計画立案後は、パイロットは飛行機が待っているスポットに向かいます。飛行機の駐機場のことをエプロンといい、 そのエプロンを細かく分けた1機分の駐機場所がスポットです。 エプロンをランプ、スポットをゲート、ベイあるいはスタンドなどと呼ぶこともあり、それぞれはっきりした名称ではなく混用しているようです。

スポットに到着したパイロットは、整備士から飛行機の整備状況について、詳しい説明を受けます。その内容はたとえ小さなスイッチを1つ交換したことでも、なぜ交換したのか、その結果どのようになったかなど、細部にわたって説明を受けます。その説明が、フライト中に何か不具合が生じてしまった場合、適切な判断や処置をする時の大きな手助けになることがあるためです。

そしてスポットの位置を、緯度経度の形で慣性航法装置のコンピュータに知らせてやらなければなりません。慣性航法装置を自立させる必要があるからです。余談ですが、英国では同じ空港内でも場所が少し違うだけで、東経になる場合と西経になる場合があります。英国(グリニッジ天文台)から、基準となる子午線が始まった歴史を実感させてくれます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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