昔の人のアイデア満載! 発酵・乾燥・粉砕などなど…米でつくる食べ物と飲み物の知恵とは【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】

昔の人が米からつくったすごい食べ物・飲み物

知恵と工夫が生んだ米の変身術!

炊いて食べるだけじゃない─昔の人々は、米をさまざまな形に加工し、食べ物や飲み物として活用してきました。保存・栄養・味わいの面で工夫をこらした“米の変身”は、日本の食文化の知恵の結晶でもあります

たとえば、「餅」。蒸したもち米を臼と杵でついてつくられる餅は、平安時代にはすでに祝いの席で食べられていました。保存も利くうえに腹持ちがよく、栄養源としても重宝されたのです。

「あられ」は鏡餅を乾燥させ、小さく割って焼いたもの。奈良時代に唐などからの使者に対して宮廷で出されたもてなしの食べ物でした。平安時代には「あられ餅」と称してつくられたことが「山城風土記」に記されています。

そして、「日本酒」。蒸した米と米麹、水だけでつくられるこの酒は、発酵という技術を使った日本を代表する米の飲み物です。古くは神事にも用いられ、神様へのお供えやお清めにも欠かせない存在でした。

また、「甘酒」も見逃せません。アルコールを含まない米麹の甘酒は、ビタミンB群やアミノ酸が豊富で「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養価が高く、昔から重宝されてきました。

このように、米は「主食」だけにとどまらず、発酵・乾燥・粉砕などの技術と結びつくことで、さまざまな姿に変身してきたのです。

米を原料にした加工品いろいろ

祝いの席などで食べられる伝統的な保存食です。

日本酒

古くから神事や贈答にも使われる伝統的な酒です。

あられ

そのまま食べたり、お茶うけやお酒のおつまみにしたりします。

甘酒

栄養価が高く、夏の栄養補給や冬は温めて飲まれます。

米は主食だけでなく、さまざまな食品や飲料の原料として活用されてきました。長期保存や風味、栄養など、昔の人の知恵が生かされています。

昔の人が編み出した米の加工技術

蒸す・つく

米を蒸してから、ついたりこねたりして形を変えます。

発酵させる

米に麹菌などを加え、時間をかけて風味や栄養を引き出します。

乾燥させる

米を干して保存性を高め、粉にして利用します。

酢に変える

発酵の一種で、酸っぱい成分に変化させることで調味料として使えます。

昔の人は、限られた道具や環境のなかで、米をもっと長期的に、もっとおいしく活用するための工夫を試行錯誤してきました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』
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