【カリブ海の絶滅アザラシ】晴れた日にはビーチで寝転ぶかわいいアザラシの悲しき絶滅原因とは【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

観光産業に奪い去られた貴重な陸地「カリブモンクアザラシ」

【カリブモンクアザラシ DATA】
分類:哺乳類
絶滅時期:1940年代
生息地:カリブ海、バハマ諸島など

ビーチで休む、個性派アザラシ

カリブモンクアザラシは、かつてカリブ海全域やバハマ諸島、ユカタン半島沿岸などの温暖な海に生息していたアザラシです。体長はおよそ2.0〜2.3m、体重は200〜250kgほどで、他の多くのアザラシと異なり、メスのほうがオスよりも大きいのが特徴。生態はほとんど知られていませんが、主に魚やイカ、タコなどを食べ、晴れた日には砂浜や岩礁の上で昼寝をし、体が熱くなると海に戻って冷やすという穏やかな生活を送っていたと考えられています。出産は春ごろで、母親は珊瑚礁の浅瀬や砂浜で子を産み、しばらく近くに留まって子どもを守っていたとされています。

また、生まれたばかりの子アザラシは真っ白な毛ではなく、黒みが強い色。氷海に暮らす他のアザラシとは異なり、暖かい海で子育てを行う非常に珍しい種だといえるでしょう。

しかし、19世紀に入ると人間の活動によって急速に数を減らしていきます。カリブ海地域の開発や観光業の拡大、漁業による生息地の破壊、加えて一部地域では乱獲も行われました。毛皮や脂の質はあまりよくなかったにもかかわらず、人間の生活圏の広がりによって住処を奪われ、次第に数が減っていきました。目撃事例が徐々に少なくなり、1940年代を最後に絶滅したと考えられています。

普通のアザラシとどう違う?

①メスのほうがひと回り大きい

体長は約2.0〜2.3m、体重は200〜250kgほど。多くのアザラシとは異なり、メスのほうがオスよりも大きく成長するのが特徴です。

②氷より砂浜を好むアザラシ

普通のアザラシと違って暖海域住み。晴れた日には、砂浜や岩礁で日向ぼっこをしていたと考えられています。体が熱くなると海に戻り、ゆったりと体を冷ましたようです。

③赤ちゃんは黒っぽい毛並み

生まれたばかりの子どもは真っ白ではなく、黒みがかった毛で覆われています。氷の上ではなく、暖かい海で子育てをするとても珍しい生活スタイル。

狙われていないのに… 絶滅した理由とは?

観光地としての開発

美しい海を求めて多くの人々が訪れるようになり、生息地が急速に観光地化。カリブ海沿岸には次々とホテルやリゾート施設が建てられ、観光客でにぎわう場所へと変わっていったのです。

漁業の拡大

海岸の開発や漁業の拡大によって陸地を奪われたことも、彼らが住処を失う原因になりました。

捕獲されても人気は出ず

捕獲の対象となっていましたが、実際にはあまり注目されませんでした。毛皮の質があまりよくなく、脂肪も少なかったため、商業的な価値が低いとみなされたのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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