浮かんでからが本番? 船に「命」を吹き込む艤装の全貌とは【眠れなくなるほど面白い 図解 船の話】

船ができるまで② 進水〜艤装〜引渡

いよいよ実用の最終段階へ

ドックで船体の組み立てが完成すると、次に行われるのが進水です。進水とは、建造中の船を初めて水に浮かべる工程で、船づくりにおける重要な節目にあたります。そして、ここから本格的な仕上げ作業がはじまります。

まず、進水後のメインとなる工程が艤装(ぎそう)です。配管、電気設備、居住区、航海機器など、船を動かし機能させるための装置を取りつけていきます。設置が終わるごとに通水や通電、機器の単体試験が行われ、正常に作動するか確認します。

この作業は船体内部の限られた空間で同時進行するため、非常に複雑です。造船、電装、機関、内装など多くの専門職が携わり、大型船では数カ月〜1年以上を要することもあります。工程全体のなかでも、特に時間と手間のあかる工事といえるでしょう。

艤装が終わると、船は岸壁に係留された状態で検査を受け、最終段階として海上試験が行われます。実際に海へ出て速力試験や操縦試験、機関性能の確認などを行い、設計通りの性能が発揮されているかを厳しく検証するのです。

すべての試験を終えると、船は正式に引き渡され、就航への準備が整います。進水から艤装、試験を経て、船はようやく実用の段階へと移っていきます。

完成へと向かう船づくり

① 進水

進水台またはドックで建造した船を初めて水に浮かべる

② 艤装

機関・電気・航海機器などが正常に動くようにして、船を動く状態へ仕上げる

③ 海上試験

海上で速力・操縦・機関性能を確認し、設計通りの性能かを検証する

④ 引渡・就航

船主(船会社)へ正式に引き渡され、運航がはじまる

船は進水後、艤装と海上試験を経て初めて実用段階に入ります。水に浮かんだ瞬間から、完成への最終工程がはじまるのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』監修:池田良穂

【監修者紹介】
池田良穂 (いけだ よしほ)
1950年北海道生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程船舶工学専攻修了。同大学工学部船舶工学科助手、助教授を経て、同大学大学院海洋システム工学分野教授に就任。退職後、現在は大阪府立大学名誉教授、大阪公立大学客員教授。船舶工学研究活動に従事し、著作活動では船舶工学・海洋工学等に関するテーマで70冊あまり執筆。主な著書に『図解 船の科学』(講談社)、『基礎から学ぶ海運と港湾』(海文堂出版)、『船の最新知識』(SBクリエイティブ)、『船舶算法と復原性』(共著、成山堂書店)、『船のしくみ パーフェクト事典』(ナツメ社)などがある。
2023 年日本船舶海洋工学会「船舶海洋技術賞」受賞。雑誌、新聞等への寄稿も多く、日本における船舶の理解と認知度の向上に貢献したとして、2025年に国土交通大臣から「交通文化賞」を受賞。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』
監修:池田良穂


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