文具オタクが教える!モチベーションが上がるペンとノートの使い分け【おとなの色鉛筆イラスト帖】

『きれい・かわいい・おいしい!を記録する おとなの色鉛筆イラスト帖』の著者、若林先生は、筋金入りの「メモ魔」であり「文房具オタク」でもあります。イラストを楽しく続けるための、こだわりの道具術について語っていただきました。

――イラストの輪郭を描く「ペン」には、どんなこだわりがありますか?

若林先生:色鉛筆の色が濁らないように「速乾性」であることを重視しています。普段はサクラクレパスの「ピグマ」と、「コピック マルチライナー」を愛用しています。

同じ黒でも、マルチライナーの方が微妙に色がソフトなんです。だから、建物の格子など線が多くなるイラストを描く時は、線が主張しすぎないマルチライナーを使うなど、使い分けています。

若林先生愛用のペンたち。色鉛筆が濁らない「速乾性」を重視しつつ、線の量に合わせて黒の濃さを使い分けたり、スケッチには万年筆を使ったりと、文具オタクならではのこだわりが光ります。

――万年筆でイラストを描かれることもあるそうですね。

若林先生:万年筆も大好きでたくさん持っています。ただ、高価な金ペンの万年筆は、絵を描く時にグッと力が入ると傷まないか緊張してしまうんです(笑)。なので、ささっとスケッチする時はラミー(LAMY)の「サファリ」のような、スチールペン先の万年筆をよく使います。鉛筆のような感覚で気兼ねなく描けるのがいいですね。最近はプラチナ万年筆の「プレピー」という手軽なカートリッジ式万年筆に、耐水性インクを入れて試したりもしています。

LAMYの万年筆で描かれたティータイムの記録。文字とイラストを自由に組み合わせることで、その時の空気感や「おいしい!」という気持ちが鮮やかによみがえります。

――ノートへのこだわりも強いとお聞きしました。

若林先生:はい(笑)。2004年に「モレスキン」のノートで絵日記を描き始めたのですが、当時の紙は色鉛筆との相性があまりよくなく、そのころの私の技術では思うように描くことができませんでした。ところが、8年後にもう一度試してみたら、今度はうまく描けたんです。その後、モレスキンの紙質も改良されて、さらに色鉛筆で描きやすくなりました。

右は2004年に購入した限定版モレスキンに、2012年に描いたジャムパン。絵日記を描き始めた頃の作品です。描き続けることで観察力が磨かれ、文字のあしらいや構図にも工夫を凝らせるようになり、左のような表現豊かなイラストへとつながっていきました。

今でもモレスキンは失敗したくない “とっておきの1枚絵” 用として大切に使っています。普段使いには「トラベラーズノート」の軽量紙モデルをポーチに入れて持ち歩き、いつでもどこでもパッと描けるようにしています。紙との相性で色鉛筆のノリが全然違うんですよ。

2004年から2016年のモレスキン。並べると紙質の変遷がよくわかります。

もしノートに直接描くのが緊張してしまう方は、ミシン目が入っていて1枚ずつ切り離せるタイプのトラベラーズノートのノートから試してみるのも、ハードルが下がっておすすめですよ。

――「文房具を集めるのは好きだけど、もったいなくて使えない」という読者にアドバイスをお願いします。

若林先生:コレクター気質の方は、綺麗なものを崩すのが嫌なんですよね。それなら「コレクション用」と「使う用」の2つを買ってしまいましょう!いざ使い始めて描く楽しさを知ると、道具はただ持っているだけでなく、自分を表現する最高のツールに変わるはずです。

使い込んで短くなった鉛筆や、小さな傷がついたペンを見ると、自分が積み重ねてきた時間や作品、絵日記の記憶がそこに刻まれているように感じます。だからこそ、使えば使うほど愛着が深まっていくんです。

【書誌情報】
『きれい・かわいい・おいしい!を記録する おとなの色鉛筆イラスト帖』
著者:若林眞弓


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ペン1本と色鉛筆で、まねするだけでかんたんに描ける!絵が苦手でも大人っぽく仕上がる簡単メソッドが満載。手帳や日記にすぐ使えるお洒落なモチーフがたっぷり750点収録です!「今日出会った感動」を気軽に残せる、記録のためのイラストの描き方が身につく一冊です。

【著者紹介】
若林眞弓

イラストレーター、カラーリスト。
島根県生まれ。会社員時代、ストレス解消の手段として色鉛筆に出会い、独学で描き始める。ネットを通じて届く「私も描いてみたい」という声に応えて、2009 年からオリジナルの図柄と塗り方レシピを使った色鉛筆塗り絵の教室を開講。現在は、生活を自分の作品で彩る楽しさを知ってほしいと、島根、東京、大阪、オンラインで塗り絵とイラスト教室を実施している。著書に『ぬりえ彩色レッスン帖』(コスミック出版)、『塗り絵でまなぶ色鉛筆画のきほん 12色だけで花もお菓子もこんなに描ける』(ホビージャパン)、『センスも時間もいらない おとなの絵日記レッスン』『60歳からの色鉛筆画教室』(ともに日本文芸社)などがある。
ブログ:https://www.belta.jp/art/
Instagram:https://www.instagram.com/bluebelta/

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