0歳からの毎日の生活習慣がカギ!きれいな歯並びは「まんまる抱っこ」から育つ【歯並びをよくする離乳食・幼児食】


親が知っておきたいきれいな歯並びの育て方
歯並びケアは赤ちゃんが栄養を補給し始めたとき、つまり哺乳スタートのときから始められます。
哺乳とは「吸着(唇と舌を乳首や乳輪部と密着させること)」「吸てつ(舌で乳首を強く吸い、乳汁を吸引すること)」「嚥下(飲み込んで乳汁を消化器官へ送ること)」の3つの運動からなり、それぞれが正しく行われることがきれいな歯並びを育てる第一歩となります。
まず気をつけたいのが、頭の向き。安定した姿勢で抱っこをして、乳首を深くくわえさせて飲ませるようにしましょう。その際に、頭を後ろにのけぞらせないことが大切です。安定しない縦抱っこや、寝ながら飲ませたり、横向きでの授乳などは、避けるようにしましょう。
そして、赤ちゃんから4つのサインが出始めた、離乳食のスタート。固形物を噛んで、まとめて、飲み込む、つまり「食べる」ことを学びます。同時に、お口や舌、あごを使うことを身につけていくのです。良い歯並びの土台となる、あごとお口の発達を促すことが何より大切です。
早めのケアと考えると、実は妊娠がわかる前からの母親や父親、赤ちゃんをお世話する人の口腔ケア(虫歯ケア)も大切です。出産前に虫歯ケアをしておくと、虫歯菌が赤ちゃんにうつるリスクが低くなります。
虫歯になってしまうと痛くて噛めないなど、お口の発達にも悪影響を及ぼします。妊娠期前からの口腔ケアも心がけてみましょう。
0歳からの毎日の生活習慣がカギ
首がすわるまでは、腕で赤ちゃんを包み込むような「まんまる抱っこ」で。頭が後ろに下がってしまうような抱き方だと、口呼吸になりやすくなってしまいます。
また、哺乳瓶を使うときは、瓶を逆さにするだけでミルクが出てくるタイプのものは避けて。舌や顔の筋肉がちゃんと鍛えられるよう、舌を使わないと出ない仕組みのものを選びましょう。
抱っこや食事は毎日のこと。この習慣づけが大事になってきます。

早くケアをスタートすることがベストとはいえ、哺乳だけの時期が過ぎてしまっても軌道修正は十分に可能!
離乳食・幼児食がお口を育てるのに大切
離乳食が始まったら、母乳やミルク以外のものの味や感触を学習していきます。飲み込む練習、舌と上あごで潰す練習、前歯でかじり取り、歯茎や奥歯で潰す練習と、段階を経ていきます。
舌、唇、あごを正しく使うことで、口まわりの筋肉を上手に鍛え、きれいな歯並びの土台となるお口を育てることができるのです。
乳歯が生えそろうまでの歯の成長を5段階に分け、各時期に習得したいことをまとめました。
1.歯なし期
上の唇をおろして口を閉じ、飲み込む練習。
2.前歯が上下4本期
舌と上あごで食べ物を潰す練習。舌を上あごにつけるようにする。
3.前歯が上下8本期
前歯でかじり取り、歯茎で潰す練習。かじり取りでひと口量を学ぶ。
4.奥歯が上下4本期
前歯でかじり取り、奥歯でそしゃくして、飲み込む練習。
5.奥歯が上下8本の完了期
大人と同じように歯ごたえを楽しんで食べる。成人型嚥下を習得する。
【出典】『歯並びをよくする離乳食・幼児食』著:杉原麻美/藤原朋未
【書誌情報】
『歯並びをよくする離乳食・幼児食』
著:杉原麻美/藤原朋未
お子さんの歯並び、お口の状態、気にしていますか?
昔に比べ、やわらかいものを食べるようになった昨今、お口まわりの筋肉や、飲み込む力が未発達なままとなり、「でこぼこ歯」「出っ歯」「ポカン口」「受け口」などの、お悩みを持つお子さんが増えています。
歯並びや、噛み合わせの悪さが与える影響は多々ありますが、大人になってからもデメリットとなり続けるものばかりです。
「でも、歯並びは遺伝の影響では…?」と思った方にこそ、
手に取っていただきたいのが本書です。
実は0歳児からのミルクの飲み方、哺乳瓶の選び方、
離乳食・幼児食のメニュー、食べ方といったことのすべてが、
お子さんの歯並びにつながっているのです。
お口を育てる視点から、「月齢を目安にするよりも、お口の状態に合わせて進める」「誤嚥を防ぐ細かい切り方ばかりだと歯を使わず、お口の発達が促されない!」といった、離乳食・幼児食の新常識を解説し、一生ものの「きれいな歯並び」をつくる、離乳食・幼児食のフリージング&作りおきレシピをご紹介します。