ゲームやアニメの影響で暴力的になる?考えられる2つの効果「観察学習説」と「カタルシス説」とは!?【図解 犯罪心理学】

考えられるふたつの効果
サスペンスものやアクションものなど、暴力的なシーンが多く含まれる映画やアニメは人気があります。そのような映像は、見る人の心理にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
それには、ふたつの説が考えられています。ひとつは「観察学習説」です。これは、暴力的な映像を見るとその行動を学習してしまい、同じような行動の動機づけになるというものです。
そしてもうひとつは「カタルシス説」です。こちらは、観察学習説とは逆に暴力的な映像を見ることによって、気持ちが晴れ、暴力行為は抑制されるという考えです。
多くの実験が行われてきましたが、現在のところ、カタルシス説を支持する結果は極めて少なく、観察学習説が多く支持されています。
暴力映像に関して、近年とくに問題となっているのが、暴力ゲームの影響です。暴力ゲームは、自らが主人公となって、敵やゾンビなどを倒していきます。この際、プレーヤーが自発的な行動をとり変化が現れるとその行動が増加していくという「オペラント条件づけ」が起こり、観察学習効果がより強く出てしまうというのです。
ただし、だからといって暴力映像や暴力ゲームを規制すればよいということにはなりません。歴史的にそれが広く受け入れられてきた以上、なんらかの有益な役割もあるはずだからです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太
監修者プロフィール
法政大学文学部心理学科教授。1965年、神奈川県横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員、東京家政大学文学部助教授、法政大学文学部准教授を経て2008年より現職。臨床心理士。専門は犯罪捜査への心理学の応用。著書に『犯罪捜査の心理学』(化学同人)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)ほか多数。
昨今、様々な事件や特殊詐欺など凶悪な犯罪が増えており、ニュースで犯罪に関する情報を聞かない日はないといえます。誰もが利用するSNSを介した犯罪も当たり前になっており、より巧妙化しながら身近に潜む問題にもなっています。こうした問題や実態について研究し、犯罪予防や再犯防止に役立てようとするのが『犯罪心理学』です。
犯罪心理学は、心理学の中でも実際の現場や実践に役立つことを目的とした“応用心理学”の1つで、特に犯罪行動・非行や犯罪者の心理・行動パターンに焦点を当てた研究分野です。専門書や教科書が多いジャンルですが、本書では図やイラストを用いて、1トピックを見開き1ページでわかりやすく解説。
“普通の人”が犯罪に手を出してしまう経緯、犯行内容から見える犯人像や周囲の環境、巧妙化する手口や防犯法など、知らなかった犯罪心理学を、楽しみながらもしっかりと学べる一冊です。
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