役割を脱ぎ捨てて「ただの自分」に戻る 精神科医が教える心を緩めるための居場所づくり【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】

ジャーナリングの前に心地よい環境を整えよう

 ジャーナリングによって心の闇や影を吐き出す作業は、自分自身が最も人に見せたくない恥ずかしい姿をさらけ出す行為ともいえるでしょう。だからこそ、誰にも邪魔されず、誰からもジャッジさない「安心で安全な避難所(サンクチュアリ)」を、物理的にも心理的にも準備する必要があります。

 居場所を整えることは、「今から私は本音を聞くよ」「私のための時間を用意するよ」という、自分自身へのメッセージでもあります。この準備によって日常の役割(娘、息子、妻、夫、母親、父親など)を脱ぎ捨て、「ただの自分」に戻ることができるのです。

 落ち着ける居場所づくりには五感刺激の調整が効果的です。少し工夫をするだけで、空気感はガラリと変わります。

スマホは目に入らないところに置く
少し照明を落とし、暖色系のライトの灯りを取り入れる
好きなアロマやお香を焚いて、香りを楽しむ

 環境を整えることに加えて、脳に「この香りがしたら、書く時間」という条件づけをしておくと、すぐに集中モードに入れます。

体の緊張をほぐして心を緩める

 次に自分自身の体に目を向けます。体が過緊張という「鎧」をまとっていると、本音もまた、その下に隠れて出てきてくれません。書く前に、数分間だけ体と心の緊張をほぐしましょう。

 呼吸法を試してみるのもおすすめです。また、椅子に深く座り、足の裏を床にぴったりとつけ、お尻が椅子に預けられている重みを感じるのもよいでしょう。足先から頭のてっぺんまで順番に意識を向け、ただ「ここが凝っているな」と気づくだけでも十分です。

 緊張している場所に気づいたら、息を吐きながら、その部分の力を抜くイメージを持ちます。肩を耳までグッと持ち上げてから一気に脱力して落とすのも効果的です。首を回したり手を振ったりして、物理的にこわばりをほぐしましょう。

 力が抜けていくと、指先がジンジンしたり、お腹が温かくなったりする感覚があるかもしれません。その微細な体の感覚を味わうことで、意識は完全に「今、ここ」に戻ってきます。

 静かな空間、柔らかな光、リラックスした体がそろったとき、あなたの前にあるノートはどんな言葉でも受け止めてくれる「親友」のような存在になるでしょう。

POINT

五感が安心できる安全な場所で、心も体もリラックス。
環境を整え、「本音を聞く」準備をしよう。

【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄

【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。

【書誌情報】
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』
著:長沼睦雄


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「しっかり休んでいるつもりなのに、疲れがとれない。」
「小さなことですぐに落ちこんでしまう。」
「頑張っているのに、空回りして上手くいかない」

そんな状態が続くとき、私たちはつい「もっと休まなきゃ」「前向きにならなきゃ」と自分を励まそうとします。
けれど、それでもラクにならないのはなぜでしょうか。

もしかしたら、その原因は、心の奥にしまい込んできた〈闇〉や〈影〉――
つまり、ふたをしてきた本音や感情にあるかもしれません。

怒り、悲しみ、不安、嫉妬、あきらめ。
感じてはいけないと思ってきた感情ほど、気づかないうちに心のエネルギーを消耗させていくのです。

そんなときに役立つのが、感情を紙に書き出す「ジャーナリング」。

誰にも見せないノートに、評価も正解も求めず、ただ今の気持ちを書いていくことで、心の奥に溜まったものが少しずつ流れ出し、不思議なほど心と体が軽くなっていきます。

本音を出すだけで、心は回復する。
ジャーナリングは、つい頑張りすぎてしまう人のための、
「書いて、出して、軽くなる」
感情デトックスというセルフケアです。

初めての方でも大丈夫。
この本は、「整えようとしない」「頑張らなくてもいい」、やさしいスモールステップで構成されています。

常時接続の現代だからこそ、自分とだけつながる時間を大切にすることで理由のわからないつらさが消え、他人の声に振り回されなくなります。
疲れきった毎日から抜け出し、本来の自分に戻るための1冊です。

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