「つながり」が人を癒す? ポリヴェーガル理論でわかる心と体の仕組み 【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


ほ乳類の「つながり」に着目し副交感神経を2つに分類
ポリヴェーガルとは「多重」を意味するpoly、「迷走神経」を意味するvagalを組み合わせた言葉です。それまでひとつの働きをすると考えられていた迷走神経(副交感神経の大半を占める神経)に、じつは多様な働きがあったという考え方からこの名前がつけられました。
ポージェス博士はほ乳類が「つながり」を育む生物であることに着目し、ほ乳類特有のその機能への自律神経の関わりを研究しました。
脊椎動物がほ乳類へと進化していく中で、大きな分岐点となったのが、つながりによって自分たちの安全を守ることでした。ほ乳類の多くは群れをなして暮らし、さまざまな危険をかいって今日まで生き延びてきました。
人間も例外ではなく、家族、集落、国など大小の単位でコミュニティを形成し、つながりを維持してきました。
「つながり」が心身を好ましい状態に整える
人は誰かとつながりをもつことで、腹側迷走神経の働きが活発になります。すると、楽しい、ワクワクするといったポジティブな気分になり、心拍数が安定する、呼吸が穏やかになるなど、身体も自然と好ましい状態に整っていきます。
・興奮や覚醒をつかさどる交感神経
・心身にブレーキをかける背側迷走神経(副交感神経)
・誰かとつながってくつろぐ腹側迷走神経(副交感神経)
これらの3つの神経が乗り物でいうところのアクセルブレーキとなって、自動的に心身の状態をバランスよく保っているのです。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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