「いつも何か疲れてる…」不安とイライラの原因は“過覚醒と低覚醒”にあるかも【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


不安とイライラのメカニズム【過覚醒と低覚醒】
いつも緊張していたりイライラしたりしている状態、これは交感神経が働きすぎている状態です。呼吸は浅くて速く、走ったあとのように心臓がバクバクしています。これを「過覚醒」と呼びます。
交感神経がある程度働いたときに、副交感神経の「ひとりでリラックス」「誰かと「楽しむ」モードがうまく働かないと、背側交感神経が急ブレーキをかけるしかありません。これが「低覚醒」の状態で、無気力になり身体が動かず、表情もなくなって「凍りつき」モードに入ります。
過覚醒と低覚醒をジェットコースターのように行き来する人もいます。過覚醒を抑えこむには相当のエネルギーが必要になるため、身体はいつも疲れきっていて、片頭痛や過敏性腸症候群慢性疲労などに悩まされることもあるかもしれません。
過覚醒、低覚醒、その両方を繰り返す状態は、いずれも副交感神経のリラックスを促す働きが機能していないために起こります。つまり、神経基盤が育っていないということです。
ストレスへの耐久力を表す「耐性領域」
過覚醒と覚醒の間にあるのが、おもに腹側迷走神経が働いてリラックスした状態で、このゾーンを「耐性領域」と呼びます。
「耐性領域」=「心地よくいられるゾーン」と言い換えるとイージしやすいかもしれません。
耐性領域の広さは人によって異なります。たとえば、大事な打ち合わせが目前に控えているとき。耐性領域の狭いAさんは極度の緊張に耐えきれず、心臓がバクバクして、おなかが痛くなってしまいました。一方で耐性領域の広いBさんは、緊張がほどよい刺激になり、ひらめきや気づきを得ながら充実した打ち合わせを終えることができました。
Aさんは緊張を恐怖と感じ、交感神経が過剰に働いて過覚醒の状態に。Bさんは緊張をほどよい刺激として受け止め、過覚醒になることなく、適度な覚醒の高揚感で打ち合わせを終えられたというわけです。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
この記事のCategory
オススメ記事

交感神経が暴走すると心も体も壊れる!? 不安やイライラを引き起こすしくみ【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

不安=悪じゃない!本当はあなたを助けるサインだった?【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

「なんとなく気分が沈む」「何をするにも億劫に感じる」これで解決!謎の不調の正体とは??【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】

「メンタル高血圧タイプ」の人が知っておきたい!普段の生活で意識したいこと【1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法】

「腸活」で便秘も解消?!便秘→ストレス→腸内環境の悪化で悪循環!便通改善で得られる効果とは?【1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法】

1日3分のスクワットで生き生きとした表情や輝くような肌の調子が手に入る理由とは!?【女子のスクワット】

1日にドラム缶1本分もろ過してる!? 血液のデトックスを一手に担う臓器とは【眠れなくなるほど面白い 図解 デトックスの話】
