新しい挑戦の不安を「楽しみ」に変えるワークを紹介【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

不安、イライラを抑えるための対症療法

今すぐ不安やイライラを抑えたいというときに効く、おすすめのワークを紹介。

いずれも、困ったときに対症療法として実践するとよいでしょう。

こちらで挙げているシチュエーションにかぎらず、広く使えるワークばかりなので、「緊張したらこれをやってみよう」「リラックスしたいときに試してみよう」というふうに、その時々の状況と得たい効果に応じて行ってみてください。


困ったときにすぐ効く簡単ワーク【日常のシーン】

新しいこと、難しいことに取り組むのが不安なとき

何か新しいことにチャレンジしようとするときには、「自分にできるだろうか」「失敗したらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。

未知のものに対する恐れや、自分の力が信用できないといった不安の根っこは同じ。でも、人によって心身への表れ方は変わります。

焦りやイライラが募る「駆け上がり型」か、極度の不安からうつうつとしてしまう「くすぶり型」か、この2つが交互に表れる「浮き沈み型」か。いずれの場合も、アクセルやブレーキがかかりすぎている状態です。

ポジティブな気持ちになれるワークや、イライラを抑えるワークを取り入れて、チャレンジするときの不安を「楽しみ」に変えてみましょう

<Q>
もうすぐ資格試験があるのですが、日ごとに焦りが募るばかりで勉強が手につきません。何をしていても試験のことを考えてしまって、ソワソワしてしまいます。

ずいぶん前から準備していたのに、いざ試験が近づくとこんな状態で、落ちてしまうのではないかと心配です。

<A>
焦ってしまう気持ち、よくわかります。落ち着かないときは、ゆっくりと息を吐くよう心がけてみてください。

息を吸うときは交感神経、吐くときは副交感神経を刺激するので、呼気を長くすることで穏やかなブレーキが働いてリラックスできます。家でも外でもできる方法なので、ぜひやってみてくださいね。

WORK1:自分のテーマソングを歌う

皆さんには、お気に入りの1曲がありますか? 何かにチャレンジするとき、そんな「自分のテーマソング」を歌ってみましょう。声や呼吸、のどの筋肉などを使うことで、気分が前向きになります。

J-POPでもロックでも演歌でも、好きな曲ならジャンルはなんでもOKです。「この曲いいな」「聴くと元気が出るな」と感じたら、その曲を自分のテーマソングにするのもよいでしょう。

WORK2:「エイエイオー!」と声を出す

うつうつとした気分から抜け出したいときは、腕を振り上げて、「エイエイオー!」と声に出してみましょう。発声することで腹側迷走神経を刺激するだけでなく、声と動きをつけることで自分の活力を感じられ、気分を変化させる効果があります。

声に出すのが難しい状況なら、発声や動きをイメージするだけでも大丈夫。実際にやってみると、予想以上に元気が湧いてきて驚くかもしれません。

WORK3:歩きながらゆっくり呼吸

焦りや不安から落ち着きがなくなるタイプの方や、ふだんから落ち着きのない方におすすめのワーク。やり方はシンプルで、歩きながら息をゆっくりと長く吐くだけ。腹側迷走神経の穏やかなブレーキが働き、自分がリラックスしていくのを感じられます。

日常で自分の呼吸を意識することは少ないと思いますが、息をゆっくりと長く吐くことを意識的に取り入れ、練習するとよいでしょう。

WORK4:8の字呼吸

横に倒した「8」の字を書くように、首をゆっくりと動かしながら、長く呼吸するワークです。

呼吸法に加えて、首まわりをゆっくりと動かすことで、腹側迷走神経の穏やかなブレーキが働き始めるのを体感できます。不安になったりピリピリしたりしていると感じたら、スキマ時間でこのワークを実践して、落ち着きを取り戻しましょう。

【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子

【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子


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3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!

「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。

本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。

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