よく話題になる日食や月食ってどんなもの?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

太陽・地球・月の位置関係が生む現象

テレビやネットのニュースで耳にする日食や月食。太陽や月が関係していることはわかりますが、その正確な違いはご存じでしょうか。日食は地球、月、太陽の順で一直線に並んだとき、太陽が月に隠されることで起きる現象で、部分日食・金環日食・皆既日食の3種類があります。

部分日食は月が太陽の一部を隠し、欠けているように見える状態。金環日食は太陽がリング状に見える状態です。皆既日食は太陽を月がすっぽり覆い隠した状態で、昼にもかかわらず地表は夜のように真っ暗になります。

太陽の直径は月の約400倍。また、地球から太陽までの距離は、地球から月までの距離のこれも約400倍。よって両者の見かけ上の大きさはほぼ同じになります。私たちが日食を観測できるのはそのためです。

一方、月、地球、太陽の順に一直線に並んだときに起きるのが月食です。地球が太陽から月に届く光の一部をさえぎると部分月食に、すべてをさえぎると皆既月食になります。

月食は満月のときに起きる天体現象ですが、月の軌道と地球の軌道に傾きがあるため、満月だからといって必ず起きるわけではありません。新月のときに起きる日食も同様で、月の軌道と見かけの太陽の軌道( 黄こ う道ど う)にも傾きがあるため、
新月でも日食が起きないケースが多いのです。

日食と月食のメカニズム

「地球―月―太陽」の順に並んだとき起きるのが日食で、「月―地球―太陽」の順に並んだときに起きるのが月食。

皆既日食

太陽が月によって完全に隠れる状態。地球、月、太陽が一直線に並ぶ必要があるが、地球と月の軌道には傾きがあるのでめったに起こらない。

月の満ち欠け

月の満ち欠けも、日食や月食と同様に地球・太陽・月の位置関係によってもたらされる天体現象。満月から次の満月までの満ち欠けの周期は約29.5日。

月が明るく見えるのは、太陽の光を反射しているため。時間の経過とともに位相(見え方)が変化するのは、地球のまわりを公転する過程で太陽光に照らされる場所が変わるから。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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