「火星の大接近」はいつ?見ごろと楽しみ方をチェック!【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

大接近は15年から17年に一度

2018年7月31日、「火星が地球に大接近する」と話題になりました。地球と火星はそれぞれ違う軌道や周期で太陽のまわりを公転しており、両者の位置関係は常に変化しています。その地球と火星の距離がもっとも近くなることを「最接近」といいます。そして火星が太陽にもっとも近づく位置(火星の近日点)あたりで起こる最接近を「大接近」、太陽からもっとも遠ざかる位置(火星の遠日点)あたりで起こる最接近を「小接近」と慣例的に呼びならわしています。大接近と小接近とでは、火星の見かけ上の直径(視直径)が倍ほど違います。

地球は365日かけて太陽のまわりを公転しますが、火星は687日かかります。地球のほうが公転スピードは速いため、約2年2カ月ごとに火星に追いつきます。このとき地球と火星が最接近するのです。ただし、火星の最接近は、毎回1年の同じ時期に、同じ位置で起こるわけではありません。年周期ではなく2カ月の端数があるからです。

また、地球に比べ火星の公転軌道が楕円形をしていることから、地球と火星の軌道の間の距離が一定ではなく、最接近の距離も毎回違うのです。最接近自体は珍しくはないものの、大接近が起きるのは15年から17年ごとです。ちなみに、次回の大接近は2035年9月11日です。

地球と火星が最接近する時期は?

2035年の大接近時の火星の視直径は、2025年の最接近時の約1.7倍になる。

地球と火星が最接近する周期は約2年2カ月(780日)。このサイクルで最接近がくり返され
るが、最接近の時期や位置、地球と火星との距離は毎回異なる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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