実話かSFか?“大型ビル級”小惑星が地球を襲う日が来る!?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

2032年に小惑星が衝突する!

小説や映画のSF作品では、巨大な惑星や小惑星が地球に迫り、衝突の危機に陥るというストーリーがたびたび描かれます。フィクションの世界では壮大なスケールの災害として扱われますが、実際にそのような大規模な衝突が起こる可能性は非常に低く、数十万年に1回もないといわれています。

欧州宇宙機関(ESA) と米航空宇宙局(NASA)は、2024年に発見された小惑星「2024 YR4」が、2032年12月22日に地球に衝突する可能性があると発表しました。2024 YR4の危険性は、警戒レベルのなかで下から4番目の「レベル3」に分類されています。これは、2004年に記録された小惑星アポフィスの「レベル4」に次ぐものです(その後の観測により、アポフィスの危険性はゼロと判断されています)。

2024 YR4の大きさは大型ビルほどで、幅は40~100m と推測されており、衝突すれば周辺地域に壊滅的な被害をもたらす可能性があります。

しかし、2025年2月、NASAとESAは2024 YR4の衝突リスクがほぼゼロになったと発表しました。多くの観測で精密な軌道が求められた結果、衝突の可能性がほぼないことが判明したのです。

もっとも衝突の危険性が高い小惑星

2024年に発見された小惑星「2024 YR4」は、衝突の危険性が最大で3.1% に達し、観測史上最も高い数値となった。しかし、その後の詳しい調査によって衝突の危険性はないと判断された。

小惑星の軌道計算の手順

1.観測データの収集:望遠鏡やレーダーで小惑星の位置や観測時刻を記録する。
2.初期軌道の推定:得られたデータを基に、小惑星の初期軌道を推定する。
3.軌道の精密化:さらに観測データを追加し、軌道を精密に計算する。
4.将来の位置予測:確定した軌道を使い、将来の位置や地球への接近時期を予測する。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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