料理の印象を大きく変える!? 上手な「塩とうま味」のかけ合わせ方【眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話/鳥羽周作】

料理は塩とうま味をうまく活用する
脂を支えるのは塩とうま味
塩とうま味をどう組み合わせるかで、料理の印象は大きく変わります。肉や魚のように脂が多い素材は、そのままでは重たく感じやすいですが、塩を合わせれば輪郭が出て、味がはっきりと立ち上がります。
たとえば、焼肉のタレには甘味が含まれますが、脂の存在感を受け止め切れず全体がぼやけることがあります。そこに塩とわさびを添えると、脂のうま味を引き締めながら軽快に味わえます。脂を塩で受け止めることは、食べやすさをもたらすのです。
うま味はリュックサックのような存在とも言えます。丈夫なリュックサックなら荷物が多くても安定するように、うま味がしっかりしていれば塩や酸味を加えても調和が崩れないからです。逆にうま味が弱いと、塩が立ちすぎたり酸が浮いたりしてしまいます。
つまり、塩は単独で使うより、うま味の土台と組み合わせてこそ真価を発揮します。塩が味を決め、うま味がそれを支えるからこそ、脂の多い料理でも最後まで食べ進められるのです。
さらに、酸味を取り入れる方法もあります。タバスコのように酸味と辛味を合わせた調味料は、脂っぽさをやわらげ、締まりのある後味へ導きます。塩だけで調整するのではなく、酸味をどのように添えるかも設計のひとつです。
脂のうま味を塩で受け止める
肉や魚など脂の多い料理は、タレの甘味だけでは脂を受け止めきれず重たくなる。そこで塩を効かせると、輪郭が出て軽やかになり、脂のうま味を最後まで楽しめる。

うま味はリュックサックのような存在

大きなリュックは重い荷物をしっかり支えるように、うま味が強ければ塩味や酸味、苦味といったさまざまな味を受け止める力がある。たとえば、うま味の強い天ぷらは、天つゆやおろしなどの複雑な味をしっかり抱え込む。一方、素揚げのようにうま味が弱いと、塩味や苦味だけが立ってしまう。うま味の容量こそ、味のバランスを決めるカギなのだ。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』著:鳥羽周作
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』
著:鳥羽周作
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