黒いだけじゃない!世界の様々なカラスたち【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


世界のカラスの仲間を紹介します
世界には約40種のカラスがいます。多くは一目でカラスとわかる姿ですが、カラスは黒いというのは早計。ズキンガラス、ムナジロガラス、クビワガラスのように白黒模様のカラスもいます。ニューギニアのハゲガオガラスは灰色っぽく、特に若鳥は褐色です。さすがに赤や青の派手な色のものはいませんが。
クチバシの形も、細長いツルハシガラス(アフリカ南部)や、ものすごく分厚いオオハシガラス
(アフリカ北東部)などバリエーションがあります。とはいえ、全体の形はやはりカラス。クチバシを隠せば似たような形です。
道具を作って使うことで有名になったのは、ニューカレドニアのカレドニアガラス。このカラスは枝や葉を使って道具を作り、倒木の中にいるカミキリムシの幼虫を釣り上げて食べることが知られています。飼育下の実験では針金を曲げて道具を作り、パイプの中からエサを取り出すこともできます。
カレドニアガラスだけでなく、ハワイガラスも道具を使うことが最近、発見されました。ただし、ハワイガラスは野生状態では絶滅してしまい、飼育下で保護されている個体を野生に復帰させようとしているところです。
なお、大都市にカラスがたくさんいるのは日本くらいです。外国にもカラスはいますが、公園などで見かける程度。「なぜ日本だけ?」という理由はわかっていません。
道具を操るカレドニアガラス

道具で「引っかける」とは限らないのがカレドニアガラスの賢いところです。フックツールという道具を使い、絶妙な力加減でコチョコチョするとカミキリムシの幼虫が怒って嚙み付くので、それを釣っていることがわかっています。葉っぱの縁のギザギザで引っかけるツールもあります。
他にも…
針金を使ってエサを引っかける
飼育下でカレドニアガラスに針金を与えると、たとえ道具を使ったことがなくても、自分であれこれ試してツールを作り、エサを釣り上げます。同じことをやらせてみたら、ミヤマガラスもできたそうです。
石を入れて水位を上げる
メスシリンダーに水が入っていて、そこにエサが浮いているのにクチバシが届かない…。そんなとき、カレドニアガラスはオモリを放り込んで水位を上げ、エサを食べてしまいます。まるでイソップ物語ですね。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」