カラスの育児スケジュールがスゴい!カラスの子どもは高速親離れ【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


今、うちの妻がコレなんで

カラスが産卵するのは早くてハシボソガラスで2月末、ハシブトガラスで3月半ばくらいです。ハシボソガラスで3月くらいから、ハシブトガラスで4月くらいがメインでしょうか。卵は4~5個で、薄青からオリーブ色の地色に、暗色の斑点模様があります。
抱卵はメスが行い、その間のエサはオスが運んできます。ハシブトガラスは直接渡さず、巣から少し離れたところにメスを呼び出して受け渡すのが普通です。ハシボソは巣に止まって「はい」と口移しで給餌しています。抱卵期間は約20日。ですが、生まれたヒナは裸なので、メスが抱いて温めています。よって、この時期にヒナにエサを持ってくるのもオス。
ヒナが成長してくるとメスも外に出ている時間が長くなり、ペアでエサを運ぶようになります。カラスはエサをのどに入れて持ち運び、ヒナに食べさせるときも口移しなので、何を食べさせているかは全く見えません。ヒナ自身も巣の中に伏せて寝ているので、最初のうちは姿が見えません。
親が帰ってくると、操り人形のようにニョキッと顔を出します。ヒナが大きくなって巣立ちが近くなると、身を乗り出してパタパタと羽ばたく姿も見えるようになります。
そして、30日から35日くらいで、ヒナが巣立ちます。無事に巣立つのは平均2羽くらいでしょう。成績がよければ3羽、最大でも4羽までです。
カラスの繁殖スケジュール

4~5個の卵のうち、無事巣立つのは2羽くらい
カラスの繁殖は年1回です。3歳から繁殖して20年生きると18回繁殖の機会があり、その間に産む卵は90個、巣立ちヒナは36羽。それでも激増しないのは、そのほとんどが繁殖までに死んでいるからです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」
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