誰もが勝ち馬には乗りたくなる理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス】

誰もが勝ち馬には乗りたくなる理由
【バンドワゴン効果】

支持を集めたものに人は集まる

「勝ち馬に乗る」という言葉があります。何かを選択するとき、事前に勝ちそうだとわかっているものを支持することですが、このような現象を「バンドワゴン効果」と呼びます。

バンドワゴンとは、パレードの先頭に位置する、楽隊を乗せた車のことです。そこから、「流行に乗る」というような意味で、「バンドワゴンに乗る」という使われ方をします。

その代表的な例が選挙です。近年選挙では、投票行動の事前調査が行なわれ、「◯◯党が優勢」といった情報が発表されます。それを聞くと、「多くの人が支持しているのだから間違いないのでは」「自分も当選する人に一票を投じたい」という意識が働き、優勢だった候補がより多くの票を集める結果となります。

このような意識は、マーケティングの手法としても多く使われます。売上の多い商品が出ると、「みんなが使っているのだからよいものに違いない」という意識から、より売上が伸びるのです。広告でよく見る「◯万人が愛用中」「シェアナンバー1」といった見出しも、バンドワゴン効果を狙ったものです。

大勢の人に同調するのは悪いことではありません。しかし、本当に自分がそれを必要としているか、今一度考えてから行動するのがよいでしょう。

勝ち馬に乗りたくなるメカニズム

選挙における『バンドワゴン効果』

  • 特に支持している候補がいない
  • 優勢な候補に入れておけば間違いない
  • 多くの人が支持しているなら問題ないだろう
【バンドワゴンに乗る】
会議の場などで、賛成が多いとそちらに賛同してしまうのも同様の効果から!

バンドワゴン効果を利用したマーケティング

この手法を知っていれば、
企業の策略に踊らされることはない

参考文献

  • Elisabeth Noelle-Neumann, The Spiral of silence, 1993.[E.ノエル=ノイマン(池田謙一・安野智子訳) 『沈黙の螺旋理論: 世論形成過程の社会心理学』 北大路書房、2013年。 ]
  • Elisabeth Noelle-Neumann and Thomas Petersen, The Spiral of Silence and the Social Nature of Man, Handbook of Political Communication Research, edited by Lynda Kaid, Lawrence Erlbaum Associates, 2004.
  • Harvey Leibenstein, “Bandwagon, Snob, and Veblen Effects in the Theory of Consumers’ Demand,” The Quarterly Journal of Economics: 64(2), 183-207, 1950.

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』監修:高橋 昌一郎

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』
監修:高橋 昌一郎

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「認知バイアス」は物事の判断が、偏見や先入観、歪んだ情報・データ、個人的経験則・記憶、思い込みなどによって、非合理的になる心理現象。社会学(社会心理学)や経済学(経済行動学)、論理学、認知科学など幅広いジャンルで研究されている。

本書では、数ある「認知バイアス」から、「確証バイアス」「正常性バイアス」「同調性バイアス」「希少性バイアス」をはじめ「ハロー効果」「ダニング=クルーガー効果」「プロスペクト理論」「スリーパー効果」など、読者の関心や興味が強いと考えられるもの、身近で陥りやすい危険の高いもの、知っていると生活にも役立つものを中心に厳選して、図解でわかりやすく伝える。

フェイクニュースや詐欺的行為や犯罪が蔓延し、AI技術の向上などによって、「何が正しいか」わかりにくくなった現代の世の中で、賢く生きていくためには必須の知識!

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