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授乳以外の赤ちゃんの寝かしつけ方法とは?【賢い子は1歳までの眠りで決まる】

授乳以外の方法で寝かしつけましょう

生後3か月〜6か月になるまでに、いくつかの変化が訪れます。決まった昼寝のパターンができはじめ、に寝る時間が早くなり、とくに夕方、長い時間起きていられるようになります。これまでと同じように90分単位で増えていきます。こうした変化がどう起こるのかわかりやすいように、先に紹介した3人の赤ちゃんの例を紹介しましょう(157ページ)。あなたの赤ちゃんがどの例にもあてはまらないとしても問題ありません。赤ちゃんごとに独自のスケジュールができてきます。

ただし、寝かしつけるとき、とくに夜に気をつけてもらいたいことがあります。それは授乳のやり方です。今のところ赤ちゃんの生活は授乳と眠ることが中心なので、夜に赤ちゃんの目が覚めるのはおなかがすいたからだと考え、起きるたびに授乳してしまいがちです。確かにおなかがすいていることもありますが、まだ神経系が十分に発達していないことや、昼間に十分眠っていないことが原因のこともあります。よって夜中に、本当はおなかがすいているのかわからないのにとりあえず授乳していると、ふたつの問題が起きます。

ひとつは、実のところ赤ちゃんは寝かしつけほしいのに寝かしつけてもらえず、本当の問題を解決してあげられないこと。そして、もうひとつは、親にそのつもりがなくても、赤ちゃんに毎晩同じ時間に起きる習慣をつけてしまうということです。授乳は習慣づいて夜中に目覚めるきっかけになりやすいのです。動物を使った実験で、普段眠っている時間にエサを与えると、翌日も同じ時間にエサを探すことがわかっています。もちろん、理論的には簡単に聞こえますが、実際にはどう対応してよいのかなかなかわからないものです。問題は、夜中に赤ちゃんが泣いたとき、理由がはっきりしないことにあります。おなかがすいたのかもしれませんし、寝たいのに眠れないだけかもしれません。ところが、新生児の時期が終わると、ほとんどの親は、赤ちゃんが泣くと、その泣き方からおなかがすいているのか、なにか不快なことがあるのか、なにかに飽きたのか、眠いのか見当がつくようになります。

おなかがすいているのだと決めつける前に、赤ちゃんのだすサインに気をつけて、なにをしてほしいのか親に伝えるチャンスをあげましょう。授乳したばかりで、90分周期の終わり(90分、3時間、4時間半、6時間など90分の倍数の時間)が近づいていたら、すぐに授乳するのではなく、静かな場所でゆらゆら揺らしたり、前後に歩いたり、ベビーベッドに寝かしたまま体をトントン優しくたたいてあげたりして、寝かしつけてみましょう。もし、どれもうまくいかなかったら、そのときこそ授乳します。

このやり方を裏づける研究データがあります。1993年にアメリカの小児科学雑誌『ペディアトリクス』誌に発表されたものです。まず赤ちゃんと母親をAとBのふたつのグループにわけます。グループAでは母親たちは赤ちゃんが夜中に起きるたびに授乳し、グループBでは午後10時から夜中までに時間を決めて授乳します。そのあとは赤ちゃんが目覚めても授乳以外の方法で寝かしつけ、なるべく授乳のあいだをあけるようにしました(本当におなかがすいていると思ったときは授乳してよいとしていました)。8週間後に結果を見ると、グループBの赤ちゃん全員が、少なくとも5時間、とくに夜中の12時から朝の5時まで、つづけて眠るようになっていました。一方、グループAの赤ちゃんで5時間以上眠りつづけたのは25%弱でした。

この研究からは、どちらの赤ちゃんも24時間に摂取した母乳の量は同じだったこともわかっています。つまり、夜に起きるたびに授乳して寝かしつけることをしなくても、必要なカロリーは昼間の授乳で十分まかなわれること、また、授乳で睡眠をさまたげないほうが、赤ちゃんは朝までぐっすり寝ることを早く覚えることが明らかになったのです。念のためにいいますが、本当におなかがすいているときや、体重がなかなか増えない赤ちゃんの場合、授乳を控える必要はありません。寝かしつける手段として授乳している場合にかぎって、授乳を控えて別の方法で寝かしつけるようにしましょう。赤ちゃんに「朝まで寝る」というとても大事なことを教えることができて、疲れたときは授乳してもらうものだと赤ちゃんが誤解する心配もなくなります。またこのころから赤ちゃんが自然にひとりで眠りにつけるよう挑戦しはじめてもよいかもしれません。詳しくは次の章でお話しましょう。

出典:『賢い子は1歳までの眠りで決まる』

【書誌情報】
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
ポリー・ムーア 著

睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。