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他民族や他宗教に対する差別はどのように生まれてしまうのか?【社会心理学】

Text:亀田達也

外集団への認知が差別と偏見を生む

ジェノサイドとは、他民族や他宗教の人を徹底的に弾圧し、最終的に集団殺戮を行う行為を言います。普通に生活していれば、あまり意識することのない現象ですが、これまでの人類の歩みの中で、多くのジェノサイドが行われてきました。ナチスによるユダヤ人の虐殺などは、その顕著な例です。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

人は、自分の所属する集団(内集団)以外の人の集まり(外集団)を差別したり、迫害したりという状況に陥ることがあります。これは、内集団の人たちと、外集団の人たちとでは、接する距離や時間が違い、認知に差が出てくることに原因があります。自分と親しくしている人に対しては、その人の外見や性格も熟知しているため、「個人」として見分けがつきます。しかし、あまり接することのない外集団の人に対しては、あくまでも「集団の一員」という認識しか持てなくなるのです。

そのような認識の中で、人は内集団の方が優れていると思いたがる傾向が出てきます。すると、集団としてしか見ていない外集団の人たちを、「悪魔」や「虫けら」という差別的な目で見るようになっていき、殺戮という悲劇へと結びついていくのです。

このような集団差別の一例として、世界中で数多くの言語が使われている点が挙げられます。特定の言語を話すことは、その集団の構成員である何よりの印だったのです。祖先は1つだったと考えられる私たち人類ですが、その発展の過程で、強い意識を持って集団が分かれていったと考えられています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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