プテロダウストロ
ろ過食をしていたヘンテコ翼竜
プテロダウストロは、中生代の白亜紀前期、現在の南米あたりの空を飛んでいた翼竜です。
翼竜は、三畳紀に現れた爬虫類で、ジュラ紀までは、現在の鳥類の祖先よりも大きな勢力を誇っていたようです。
ジュラ紀末までは古いタイプの翼竜であるランフォリンクス類が繁栄しました。その姿は、頭が小さく尾が長いものでした。、ジュラ紀中期には頭が大きく、首が長く、尾が短い姿に進化したプテロダクティルス類が登場しました。
白亜紀に入ると鳥類のほうが支配的になっていきますが、プテロダウストロはそんな時期に登場したプテロダクティルス類の翼竜です。
特徴はなんといっても長い頭とそりかえった口元でしょう。ほかの多くの翼竜とはまるで異なり、プテロダウストロの下アゴにはなんと約1000本もの細く鋭い針のような歯が並んでいたのです。
この口でどうやって食事をしていたのでしょう。現在、推定されている方法は「ろ過食」です。口を湖などの水辺に差し込んで、水をすくい上げます。そして、この並んだ歯をフィルターのようにして、小さな水生動物やプランクトンなどを濾し取るように食べるのです。
こうしたエサの摂りかたは決してめずらしいものではなく、現在のフラミンゴも同じ方法を使っています。
フラミンゴは食べ物に含まれる色素でピンク色に発色することが知られているので、もしかしたらプテロダウストロも同じようにカラフルな色だったのではないか、という説もあります。
地上にいるときには足と手を使って四足歩行をしていたのではと考えられています。
ブラシのような歯をもつプテロダウストロ
プテロダウストロ
中生代白亜紀前期
爬虫類 翼竜類 プテロダクティルス類
翼開長 最大2.5メートル
プテロダウストロは、現代の水鳥と同じように巣を営み、子育てをしていた可能性がある。
プテロダウストロの集団子育て説
同時に見つかった胎児入り化石
2004年アルゼンチンにおいて成体から幼体、卵までも含む大量の化石群が見つかった。これは集団で営巣し子育てをしていた証拠ではないかといわれている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
代表監修:大橋 智之
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公開日:2025.03.07
