フィニッシュで立っていられないのは「力み」が原因
アマチュア・プレーヤーを見ていて感じるのは、フィニッシュでまともに立っていられず、体勢が崩れてしまう人が多いということです。
プロゴルファーでも全力で振ったときには体勢はそれなりに崩れますが、あくまでもそれはレアケース。バランスよく立っていられる範囲の力加減で、本来は18ホールをプレーするのが一番いいかと思います。
なぜ立っていられないのかというと、その大きな原因は「力み」。力めば当然グリップも強くなりますし手首も硬くなります。
それだけでなくヒジも肩も、要は全部が硬くなります。そうなるとクラブと体幹が一塊で動き出し、そのことによって体のバランスが崩れ、まともに立っていられなくなるのです。
手首は360度回転し、ヒジも曲がります。肩も360度回るわけですから、とにかく関節を柔らかくしてクラブの先端を振ることを考えてください。
クラブの先端に自分の体が持っていかれて体がターンするような感覚が出てくると、誰でも当たり前のようにフィニッシュでバランスがとれます。
ゴルフスイングには「余り」という表現があります。
ゴルフクラブの動きと体の回転量のずれが起きるのが余りで、バックスイングを評価するときによく使いますが、フォローサイドでも余りがあるのは良くなく、クラブヘッドがフィニッシュに収まるタイミングで、体の捻転も同時に終わることが大切です。
体の回転が速すぎてもバランスがとれませんし、クラブの動きが速すぎてもバランスがとれません。
クラブがフィニッシュに収まるのと体の回転が同時に終わるには、体の回転量に対してクラブの運動量が多いことが条件となります。
そういった意味では、クラブの運動量を増やしてあげないと、バランスの良いフィニッシュはなかなかとれません。
あくまでもクラブヘッドが主役であり、クラブヘッドを動かすことができないと、クラブに振られる結果として作られる、バランスの良いフィニッシュにはなかなかなりません。
フィニッシュを自分で作りに行くと、単なる形作りになってスピード感が出なくなりますので、体の回転とクラブの運動を同時に終わらせるという癖をつけてください。
出典:『うねりスイング 実戦ラウンド編1 ドライバー・アプローチ・パッティング50の最強ワザ』著/三觜喜一
【レッスンプロ/出演者情報】
●三觜喜一
1974年神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。1999年よりジュニアを精力的に指導。独自のエクササイズやドリルが多くのゴルファーから共感を得ている。辻梨恵をはじめ多くのツアープロも指導。2014年、日本プロゴルフ協会ティーチングプロアワード功労賞受賞。
【書誌情報】
『うねりスイング 実戦ラウンド編1 ドライバー・アプローチ・パッティング50の最強ワザ』
著者:三觜喜一
ベストセラー『最強インパクト作る うねりスイング』のラウンド実戦本が登場! ゴルフの肝はコースでのスコアメイク。正しいインパクトを身につけると、それがコースでどのように活かされるか? 本書は、「うねりスイング」のコースでの実践方法を解説。ドライバー、アプローチ、パッティングをテーマに、実際のラウンドで直面する状況を想定し、具体的な対処法を数多くのカラー写真を交えてわかりやすく紹介している。写真に加え、QRコード付き動画でも三觜喜一プロのワザが見られる! B5判の大きな紙面、248ページの本書は、スコアメイクに必ず役立つ一冊だ。
公開日:2022.10.20