宮田諭（TUBC）と五十嵐圭（新潟アルビレックスBB）スペシャル対談②

2024‐25シーズンも、大きな盛り上がりを見せている国内プロバスケットボールリーグ＝Bリーグ。2月21、22日に行われたB3第22節、東京ユナイテッドバスケットボールクラブ（TUBC）対新潟アルビレックスBBの2連戦では、バスケファン注目の対決が実現した。TUBCに所属する宮田諭選手、新潟に所属する五十嵐圭選手――。ともに40歳を超えながら、いまなお現役を続ける“日本バスケ界のレジェンド”。この試合、宮田選手はベンチを外れたが、五十嵐選手は2戦連続でスターターとして出場し、21日のGAME1ではチーム3位となる9得点を挙げるなど、存在感を発揮。『ラブすぽ』では今回、試合直後にレジェンド2選手の対談を実施！ふたりの関係性からバスケ界の未来まで、存分に語って頂きました！
全3回の第2回】

――宮田選手と五十嵐選手のおふたりは、現在まで20年以上にわたって現役を続け、日本バスケ界の爆発的な成長を体感してきたと思うのですが、その要因はどこにあると思われますか？

宮田　僕はアルバルクをカットされてから第一線ではなく下部組織でずっとプレーしてきたし、「日本バスケがどうこう」というよりは本当に好きなバスケを続けてきたというだけで、どちらかというとトップカテゴリの成長ぶりを「見る側」でした。その目線だからこそ感じる部分で言うと、Bリーグができたことも、日本代表が強くなったことも、もちろん大きな要因だと思います。ただ、そこには間違いなく圭をはじめとした選手たちが長い時間をかけて作り上げた土台がある。折茂（武彦／現レバンガ北海道代表）さんもそうですよね。ああいう人たちが築き上げたものの上に、今の日本バスケの成長があるのは間違いないです。

五十嵐　宮田さんが「見る側」だったなんて、誰も思っていないですよ（笑）。ただ僕自身もやはりBリーグの存在は大きな転機になったと思います。それまで国内にトップリーグがふたつあるという、誰が見ても歪な状況から川淵（三郎／初代Bリーグチェアマン）さんを中心にBリーグが生まれて、僕自身も初年度から選手としてそこに携わらせてもらえました。個人的な話をさせてもらえると、それまでは企業チームでプレーしていたのが、「プロ化」されたことも小さくない変化でしたし、なにより生まれ育った新潟でBリーグ元年を迎えることができたのは、僕のバスケ人生の中でも本当に大きな出来事でした。開幕後も「新潟をなんとかしたい」という思いでプレーしていましたし、それと同時にリーグ全体も年々大きくなっていったという感覚です。

――やはり、Bリーグの誕生は日本バスケ界にとっても大きな出来事だったんですね。

五十嵐　加えて言うとやはり「日本代表」の存在なくして、バスケの盛り上がりは語れないとも思います。これは日本スポーツ界の文化でもあると思うんですけど、たとえば競技人口が少なかったり、日本人に馴染みのある団体競技ではなく個人競技であっても、「世界で戦える競技」は人気が出ますよね。逆に「世界で戦えない競技」はどれだけ競技人口が多くても、なかなか注目してもらえない。それは、僕自身も代表でプレーしているときから実感していたし、だからこそ「日本代表が強くならなければいけない」という思いはつねに持っていました。その中で、今は日本代表が自力でオリンピックに出場できるようになったり、日本代表とBリーグが相乗効果を生んで、良い流れが来ていると思います。

――まさに、宮田さんがおっしゃった「土台」の話ですね。

宮田　圭は当事者だから自分では言いにくいだろうけどね（笑）。やっぱり、これまで代表やリーグを支えてくれた選手、もっと言えば引退してしまった多くの選手たちの功績はすごく大きいですよ。だからこその「今」であって、僕自身はその中でも幸いなことに長く現役を続けさせてもらっているので、本当にありがたいなと感じています。
【第3回へ続く】

写真・TUBC提供
文・花田 雪