ツリガネニンジンキキョウ科
美味しいことで知られる人気野草
各地の里山、とくに造成された斜面を好んで生える多年草。花が釣り鐘型をしており、根が高麗人参と似ているためにこのような名前で呼ばれる。花は近縁のホタルブクロにも似ているが、複数の花が茎に対して輪生するので判別できる。新芽はしばしば群生するので見つけたら採取はしやすい。トトキという名前で親しまれ、古くから「山で美味いはオケラにトトキ」という歌があるほど人気の高い山菜。地下茎で冬を越せる強靭な野草だが、すべての新芽を採取すると枯れてしまうので、1つの株から1本ずつのみ採取するようにしたい。
● 採れる場所:里山
断面に滲む乳液が特徴。若い芽は変異が大きい
若い芽は変異が大きい。葉は7、8cmほどで鋸歯が目立つ。茎に輪生するが枚数は3~5枚と幅があり、長楕円形から縦に延ばした卵形までさまざま。全体に微毛が生えるが、ツルッとしたものもある。ちぎると粘り気のある乳液が出てくるのでそこを判別点とする。
【出典】『野草・山菜・きのこ図鑑』著:茸本 朗
【書誌情報】
『野草・山菜・きのこ図鑑』
著:茸本朗
本書は、野草好きのYouTuberである著者が「食べたい草」に焦点を当てた異色の山菜図鑑。学者ではない著者が、自分の実体験に基づき、美味しい野草だけを厳選して紹介しています。ありふれた山菜図鑑とは一線を画し、実際に採取しやすく、利用価値の高い草を紹介する実用書として完成。野草採取の初心者にとってもわかりやすい内容で、自然と触れ合い、食べる楽しさを伝える一冊です。
公開日:2024.10.14