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モンスターペアレントとサイコパスの共通点【サイコパスの話】

Text:名越康文

我が子のためではなく自分のため

学校や幼稚園などに対して非常識な苦情や文句をつける親「モンスターペアレント」。その自己中心的な言動は、サイコパスと非常に近いものがあります。実際にモンスターペアレントの中には、サイコパスがそれなりにいると推測できます。

モンスターペアレントは、基本的に自分や自分の子のことしか考えていません。自分の子を誰々と一緒のクラスにしてほしい、発表会で主役にしてほしいなど、自分勝手な要求を突き付けてきます。要求が受け入れられないと、昼夜問わず抗議の電話をかけ、「教育委員会に訴えるぞ」と脅すなど、非常識な攻撃をしてくることもあります。

このような行動をする人には、わが子を溺愛(できあい)して周りが見えなくなってしまうタイプと、わが子のためと思わせながら、実際は相手を負かして自分が満足したいタイプの2種類がいます。この後者がサイコパスと思われるタイプです。自分の子供を傷つけられたことへの腹立ち、毅然(きぜん)と抗議して「頼れる親だと思われたい」という承認欲求、そして相手を言い負かして優越感を得たいという願望……サイコパスは子供への愛情ではなく自分の満足感のために行動します。

こうしたサイコパスとは、話し合いで解決しようとしても無駄骨に終わることが多いでしょう。サイコパスはウソをついてでも相手を屈服させようとしますし、都合が悪くなると言っていることが二転三転しがちです。教育委員会に報告するなどして、公の場で対処するのが最善策です。

【書誌情報】
『あなたの近くの危険な人物 図解 サイコパスの話』
著:名越康文

サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。

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