ボールが投げられてから振りにいったのでは間に合わないのがバッティング
阪神タイガースの代打の神様を何年も務めた関本賢太郎さん。
対戦相手の配球パターンを3球分だけ覚えて打席に入っていたという。
なぜ覚えていったのか? なぜ3球分なのか?
それは、145kmのボールがピッチャーの手は離れてからキャッチャーミットに収まるまでに0.2秒しかないからだという実に科学的な根拠だった!
バッターが振ると決めて体の正面にバットが到達するまでは0.4秒。
つまりボールが来てから振り出したのでは間に合わないのだ。
だから、事前にヤマを張る必要があった。
また、そのヤマを張った確率を高めるためには相手投手の傾向を知っておいた方がいい。
例えば、アウトコースから入る確率が何%か?
ボール球から入る確率が何%か?
では、2球目は? アウトコースのストレートでストライクを取った後に投げる球種やコースの確率は? スライダーだったら? フォークだったら? といった具合だ。
こういった枝分かれに相手投手の傾向を分析して記憶に入れていくという。
しかし、これが覚えられるのも3球目まで。
4球目以降は選択肢やパターンの数が増えすぎて関本賢太郎さんは覚えられなかったという。
確かにそうだろう。相手投手とひと口に言っても何人もいるわけなのだから。
デットボールが多かったという関本賢太郎さん。
これにも理由があって、強く外角にヤマを張ったときに真逆のインコースに厳しいボールが来ると、よけられなかったというのだ。
「ヤマを張る」これはあくまで関本賢太郎さんの代打スタイル。
今年、代打で素晴らしい成績を残したヤクルト・川端慎吾が同じかと言えば違うような気がすると関本賢太郎さんは語る。
天性のバットコントロールを持っていればヤマを張らなくてもいいのかもしれない。
たぶんイチローもヤマなんて張っていなかったはずと最後に話した。
公開日:2021.12.15