マッサージや整体に行っても翌日には腰痛が復活するのはなんで?
●緩和の鍵は副交感神経にあり
マッサージは腰痛だけでなく、疲労回復やリフレッシュの観点で広く好まれています。マッサージに通ったおかげで腰痛が治ったと言う人も多くいます。しかし、実際には完全に治ったのではなく、一時的に緩和されたということが多く、時間が経つと痛みが戻ることが多いのです。
にもかかわらずマッサージに通いたくなる理由は、筋肉が緩められることで腰の血流が一気に流れること。そして、副交感神経が優位になることでリラックスして痛みが和らぐからだと考えられます。ですが、一時的に腰痛が軽くなったとしても自律神経が整っていない状態だと心因性腰痛の場合はすぐに元に戻ってしまいます。
高いマッサージチェアも同様で、もみ方は非常にしっかりしており、マッサージに通うよりコスパがいいと感じる人は多いと思いますが、乗っている最中は副交感神経が優位になっても、根本的な自律神経が正常化しなければ、痛みはまた戻ってきてしまいます。マッサージもマッサージチェアも気持ちが良く、リラックスできるという意味では良い効果ももちろんあります。ただし、根本的な解決を目指すのであれば悩みごとをなくしたり、ストレスを緩和させることを先に行う方が良いかもしれません。
マッサージなどがその場だけは効く理由
マッサージをした瞬間だけ腰の痛みが消えるのは、毛細血管の血流が改善されるのと副交感神経が優位になるからです。しかし、一時的にリラックスできても、次の日はストレスや仕事で交感神経が優位に。毎日マッサージに通うことができれば、副交感神経優位にスイッチする習慣がつきますが、現実的ではないですよね。
マッサージチェアは腰痛改善に効く?
指圧機能による血流改善や自分の贅沢な時間としてのリラックス効果はあるものの、心因性腰痛の場合には根本的な解決には繋がらない可能性が高いです。高いものだと100万円くらいすることもあるため、購入前によく検討しましょう。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.03.20