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新庄剛志監督は清宮幸太郎&吉田輝星をスターにすることができるのか!?

Text:川本豊

がっつり!プロ野球厳選ライター陣が贔屓球団の今季を綴る”私的コラム”俺と12球団と2021年

プロ野球12球団、それぞれを愛してやまない書き手たちに、喜びや悲しみ、怒りなど思いの丈を思いっきりぶちまけてもらうこの企画。お待たせしました!2年ぶりの復活です!果たして2021年の書き手たちは、どんな〝思い〞を綴るのか

俺とファイターズと2021年/書き手・川本豊

●ファイターズは生まれ変われるのか?
 ファイターズは、どこへ向かうのだろうか。そんなことを思わずにはいられない2021年だった。シーズンの話は、はっきり言ってしたくない。数年後に振り返ったら「黒歴史」レベルだろう。最下位こそ免れたが、開幕直後から一度も上位争いに顔を出せずに低迷。シーズン途中には主砲・中田翔の暴行事件が発覚し、禊も済まぬままに巨人へ無償トレードされて事件そのものがうやむやになった。

シーズン終盤には栗山英樹監督が退任を発表し、斎藤佑樹が現役を引退。 ダルビッシュ有、糸井嘉男、大谷翔平、中田翔……チームの“顔”がとにかくあの手この手でいなくなり、このオフには西川遥輝、大田泰示、秋吉亮が「ノンテンダー」されておそらく他球団へと旅立ってしまう。

 私はいわゆる「ハルキスト(※村上春樹ではなく西川遥輝のほう)」ではないが、この球団の決断に怒りを覚えた女性ファンは少なくないはずだ。その一方で、球団の経営方針も理解はできる。そもそも、「無い袖は振れません」とはっきりというタイプの球団。ドライと言えばドライだが、行き過ぎてもはや清々しいとも言える。

 そんな中、唯一と言っていい明るい話題が新庄剛志の監督=ビッグボス就任だろう。 懐かしい……。連日の新庄フィーバーとそれを報道するニュースを見て、そう感じてしまった。ド派手な記者会見、ファン感でのランボルギーニでの登場。まるで、現役時代と変わっていない。あの頃の「SHINJO劇場」が来年もまた見られると思うと、やはりワクワクしてしまう。

ただ、プロ野球チームはやはり「監督」より「選手」が目立たなければならない。ビッグボス・新庄自身も「スターを育てる」と明言してくれたように、主役はあくまでも選手だ。ファイターズは近年、ダルビッシュ有、大谷翔平と言った「世界」に羽ばたくスター選手を輩出してきた。その「伝統」は引き継いでいかなければならない。

高卒4年目で最大の試練を味わった清宮幸太郎――。心無い人は、彼が今季、一度も1軍出場を果たせなかったことで「もう終わった」「村上宗隆(ヤクルト)を見習え」と罵詈雑言を浴びせる。ただ、まだ22歳。大学4年生と同学年だ。再び「1年目」のつもりでプロ生活をリスタートさせたって決して遅くない。プロ入り4年間で通算21本塁打は決して悪い数字ではない。もちろん「そろそろれないが、目標が定まればそこにたどり着くルートはおのずと見えてくる。

3年目を終えた吉田輝星――。ファームを主戦場にしながら、思うように1軍の出場機会は増えていないかもしれない。1学年下の宮城大弥(オリックス)、奥川恭伸(ヤクルト)、佐々木朗希(ロッテ)の活躍に、もしかしたら焦りを感じているかもしれない。それでも、そのストレートの魅力は彼らに勝るとも劣らない。清宮同様、焦る必要はない。自分なりのペースで進めば、「結果」は必ず付いてくる。ビッグボス・新庄剛志のもと、生まれ変わったファイターズからどんなスターが生まれるのか、今から楽しみだ。

書き手・川本豊
1983年生まれ、青森県出身。幼少期は巨人ファンも、90年代~ 00年代にかけてのFA選手乱獲、さらには04年、日本ハムの北海道移転で「地元に近いから」という理由で日本ハムファンに鞍替え。翌年、東北に楽天が誕生したときには「しまった!」と思ったが、さすがに2度の浮気はまずいと、今季まで日本ハム一筋。

出典:『がっつり! プロ野球(30)』

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