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昨季は惜しくも2位に泣いた矢野阪神!佐藤輝明/マルテ/大山悠輔が通年で中軸を張ることが優勝への条件

12球団完全データファイル2021

両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!

【セリーグ2位】阪神タイガース

【2021シーズン成績】
77勝56敗10分
勝率 .579
得 点 541 ⑤
失 点 508 ②
本塁打 121 ⑤
盗 塁 114 ①
打 率 .247 ④
防御率 3.30 ②

【今季PLAYBACK】最大7ゲーム差からのV逸…迫力を欠いた終盤戦の打線

前半戦は最大7ゲーム差で首位を独走していた阪神だが、ヤクルトの猛追を振り切れずにゲーム差なしの2位。CSでもファーストステージで巨人に簡単に敗れてしまい、尻すぼみでシーズンを終えた印象は否めない。先発陣では青柳晃洋、秋山拓巳、ルーキーの伊藤将司が2ケタ勝利を挙げ、ガンケルも9勝を挙げた。エース・西勇輝は体調不安もあり、6勝9敗と精彩を欠いたが、他が補って余りある活躍をしており、2位の原動力になった。

リリーフ陣は例年に比べると枚数が不足したが、岩崎優が8回、スアレスが9回のマウンドを務め、何とか形にはなった。ただ、馬場皐輔、岩貞祐太、及川雅貴らは盤石とはいえず、リリーフ陣の再建は急務。スアレスのMLB挑戦が伝わり、大事故が発生するかも……。

それよりも問題なのは打線だろう。ルーキー・佐藤輝明の失速はさておき、本来は4番を担うべき、大山悠輔が夏場に調子を落とし、サンズも後半戦に失速…。優勝を争う終盤戦で「5番・糸原健斗」は明らかに破壊力不足と言わざるを得ない。近本光司が故障で抜けたとはいえ、大詰めの2試合の「5番・木浪聖也」に関してはスコアボードの見間違いかと思ったファンも多いだろう。糸原も木浪も決して悪い選手ではないが、クリーンアップがベストなはずはない。

結局、打線で1年を通して頼りになったのは、近本光司とマルテだけ。次点で中野拓夢、糸原といったところか。佐藤輝明やサンズが好調だった前半は迫力があったが、気が付けば、迫力不足の打線になってしまった。


チームトップの本塁打数は佐藤輝明の24本。マルテが22本、大山悠輔が21本と続く。阪神の30本塁打超えは2010年のブラゼル(47本)までさかのぼる。3人ともに30本塁打を放つポテンシャルはあるはず。3人が通年で中軸を張ることが優勝への条件だ。


出典:『がっつり! プロ野球(30)』

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