佐々木麟太郎は令和の怪物たりえるか?
2年生ながら、注目度はナンバーワンと言っていいかもしれない。花巻東のスラッガー・佐々木麟太郎が止まらない。史上最速ペースで本塁打を量産する逸材を、過去の“レジェンド球児”たちと徹底比較!果たして、佐々木麟太郎はどこまでいく!?
花巻東に現れた怪物スラッガー・佐々木麟太郎――。『がっつり!甲子園2022』本誌巻頭カラーでも特集しているが、高校2年生ながら今夏のナンバーワン注目選手と言っていいかもしれない。
183センチ、117キロという“見た目”からして怪物感たっぷりの佐々木だが、夏を前にして連日、「高校通算○本塁打で○○超え」といった報道がされている。
8/1時点での本数は74本で、この時点で城島健司(元ダイエーほか)、平田良介(中日)超えを達成。80本の大台も見えてきた。とはいえ、まだ甲子園での実績は今春センバツの1試合のみ。高校生活を1年半残している佐々木が今後、どんな成長曲線を描いていくのか。過去の“レジェンド球児”と比較しながら、彼の凄みを紹介していきたい。
甲子園を沸かせた怪物“ゴジラ”/松井秀喜
佐々木と同じ“左のスラッガー”では、星稜の松井秀喜(元ヤンキースほか)も甲子園を沸かせた怪物のひとり。規格外のパワー、高校生離れした風貌など共通項も多いが、決定的な違いが打球の“質”だ。高校時代の松井は、どちらかというと弾丸ライナーでスタンドに運ぶ本塁打が多かった。そのド迫力の打球が“ゴジラ”の異名の由来ともなっているが、佐々木の場合は典型的なフライボールヒッター。
低めのボールでも問答無用でカチ上げるようなスイングで、打ち損じもフライになる確率が非常に高い。これは、近年メジャーリーグで多く見られるスラッガーの傾向で、より進化を遂げた“最新型”の打撃を目指していることが透けて見える。
その一方で、もちろん弊害もある。それが、“高めへの対応”だ。上から強く叩くようなスイング軌道だった松井は、高めのボールもしっかりと捉えることができたが、佐々木は4打数無安打に抑えられたセンバツ1回戦、対市和歌山戦で、相手エース・米田天翼の“高めの速球”に対応しきれないシーンが見られた。
ただ、これは本塁打の副産物と言っていい。実際、メジャーリーグでも近年は改めて“高め”の有効性が見直されており、打者もその対応に追われているような状況だ。下手にどんなコースでも捉えることを目指してスケールダウンしてしまうくらいなら、今はまだ長所を伸ばし、多少の弱点には目をつむるくらいの開き直りを見せてほしい。
出典:『がっつり!甲子園2022』
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公開日:2022.08.07