90分の覚醒周期の終わりを見逃さないようにしましょう
賢い子が育つポイント
●赤ちゃんの90分の体内時計は覚醒周期のはじまりだけをコントロールします
●覚醒周期の終わりを見逃すとすぐに次の覚醒周期がはじまり、赤ちゃんは眠れなくなってしまいます
90分周期の話をすると、こんな疑問を持つ人もいます。「もしそれが自然の周期なら、90分ごとに目をつぶるだけでころっと寝てしまいそうなものなのに、どうして赤ちゃんは眠れないのですか」と。これはもっともな疑問だと思います。
実のところ、この時計は時間がきても眠りをうながしたりしません。不思議なことに、時計がコントロールしているのは覚醒状態、つまり赤ちゃんを特定の時間に「起こすこと」だけです。そしてもうひとつ覚えておいてほしいことがあります。
大人はどんなに眠くても、午前中や夕方などの時間帯にはなかなか眠れません。これは56ページで紹介したように、概日リズムという体内時計がわたしたちを起こしておこうとするからです。同様のことが赤ちゃんにも起こるのです。覚醒周期が終わるタイミングで赤ちゃんを寝かしつけられないと、次の覚醒周期がはじまってしまい、90分の体内時計が働いて赤ちゃんを起こしておこうとします。
したがって、疲れたというサインを見逃したり、もっと刺激がほしいのだと誤解すると、赤ちゃんは眠る機会を逃し、親は寝かしつけるのに手をやくことになってしまいます。赤ちゃんを無理なく眠りにうながすには、この周期に十分に気をつける必要があるのです。
出典:『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
【書誌情報】
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
ポリー・ムーア 著
睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。
公開日:2022.08.31