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神社の境内のなかにあるものとは?【神社の話】

Text:渋谷申博

神社の境内には何があるの?

お寺に比べて神社は見所が少ないと思っていませんか。実は筆者もそうでした。しかし、それは誤解です。正しい知識をもって眺めてみれば、見所がいっぱいあることがわかるはずです。宗教建築・美術として興味深いだけではなく、地域の歴史や文化もそこから読み解くことができるのです。以下に一般的な神社の境内で見られるものの説明をしますが、鳥居と社殿が1つだけの小さな神社でも意外な発見があったりするものです。見た目の大小にとらわれず、まずはお参りしてみてください。そして、その境内には何があるのか、よく観察してみてください。では、一般的に神社には何があるのでしょうか。

参拝のルートに沿って説明していきましょう。まず、神社を訪れて最初に目にするのは鳥居です。鳥居は神社のシンボルであり、境内と俗世との境界を示す結界であり、参拝者を参道に誘う聖なる門でもあります。鳥居については第11項でくわしく述べます。参道の入り口から一の鳥居、二の鳥居と鳥居が続きますが、神社によっては門も建っていることがあります。これを神門といいます。2階建てのものは楼門ともいいますが、正確には2層目(最上部)のみに屋根があるのが楼門で、1層にも屋根があるものは二重門といいます。神門の両脇間には、お寺の仁王のように、神社を守る神様(随身・随神)の像を安置することがあります。このような門は随身(神)門とも呼ばれます。

境内に入ってすぐの場所に手水舎(「てみずや」ともいう)があります。参拝の前に手と口を清めるところです(第13項参照)。参道の脇には神楽殿(舞殿ともいう)が建てられていることもあります。本殿のご祭神に芸能を捧げるための施設です。

参道の真ん中に建てられていることもありますが、この場合は拝殿も兼ねていますので舞拝殿といいます。本殿のご祭神に捧げるのですから、舞拝殿のように本殿に相対する位置にあるのが本来の姿でしょう。しかし、神楽などの芸能は参拝者たちも楽しみにしているものなので、神様も参拝者も見えるようにと、参道脇の位置が選ばれることが多いのです。本殿の前で演じる場合は、神様に向かって演じますので、参拝者は演者の後ろ姿を見ることになってしまうからです。

そして、参道はご祭神が鎮座する本殿とその前に。建つ拝殿に行き着きます。本殿と拝殿については次項で説明します。神社の境内にあるのはこれだけではありません。拝殿の前には狛犬が一対控えていて、境内を守っています。稲荷神社ではキツネの像ですが、これは神様のお使い(神使)です(第12項参照)。参道の脇や本殿の周辺には、小さな社やしろが建っていることが一般的です。これを摂社・末社といいます。

摂社と末社の区別には厳密な決まりはありませんが、摂社の方が大きく、本殿のご祭神と関わりのある神*が祀られていることが多いようです。なお、境内の外にある摂社・末社を境外摂社・境外末社といいます。神職が事務などを行なう建物は社務所といい、神札などの授与所を兼ねることもあります。神社によっては絵馬殿といって古い奉納絵馬を飾っている社殿があったりします。このほか石灯籠、さまざまな記念碑、境内を囲う瑞垣なども要注目です。

『図解 神社の話』はこんな人におすすめ!

・神社とお祭りの関係性が知りたい!
・初詣はいつの時代から始まった行事なの?
・神社によって御利益が違うのはどうして?

と感じている方には大変おすすめな本です。

「神社には、どんな神様がお祀りされている?」「鳥居や狛犬にはどんな意味がある?」「犬や猫の神社があるってホント?」素朴な疑問で神社のディープな魅力がわかる!知っておきたい神社のキホンから、イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオ、オオクニヌシなど、神社に祀られている祭神のこと、お祭りと神社の関係まで、神社と神様にまつわる知識をイラスト・図とともに解説しています。金運や縁結び、長寿など、さまざまな願いをかなえる最強の開運神社も紹介します。神社のキホンを知れば、神社参拝が楽しくなる!神社巡りのお供に最適な一冊です。

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章、左側に図解で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!意外と知らない!お祭りと神社の関係性とは?

神道の特徴の1つとして、仏教やキリスト教のような聖典がないということがあげられます。『古事記』は聖典ではないのかと思われる方もおられるでしょうが、『古事記』も『日本書紀』も歴史書として編纂されたもので、聖典と呼べるものではありません。なぜなら、そこには聖典には不可欠な教義が記されていないからです。仏教やキリスト教は聖典を拠り所として教えを数十世紀にわたって伝えてきました。では、聖典をもたない神道は、どうやって教えを継承し広めてきたのでしょうか。

さまざまな要因が考えられますが、そのなかでも大きな役割を果たしたのが神道とお祭りです。神話を語り伝え、お祭りを繰り返し行うことを通じて、価値観や世界観を伝えてきたのです。とくにお祭りは「神話(時代)の再現」と「神様を喜ばせる」の2点で、神道の継承に重要な役割を果たしてきました。「神話(時代)の再現」は、ご祭神が出現した場所への神輿渡御や、神話を題材とした神楽、神話を語る祝詞など、お祭りによって方法は異なりますが、これによってご祭神が活躍した頃のことや神社が創建された時代を人々に想起させ、神道が理想とするものを伝えてきました。

一方、神様を喜ばせることは、災害などが起きないようにお願いする目的がありました。そして、供物や芸能の奉納などの歓待によって威力を増した神様の霊力を分けてもらうのでした。そして、神社はこうしたお祭りが行われる聖地なのです。もちろん、神社の外で行われるお祭りもありますが、神社という場があったからお祭りは維持されてきたのです。

今年が終わる前に知っておきたい!お札・お守り・おみくじ・絵馬・御朱印の正しい扱い方とは?

神社から参拝者に授与されるものは大きく分けて2種類あります。神札類と縁起物です。神札類は神様の霊威が宿っているもので、神札(お札)やお守りがこれにあたります。これはいわば神様の分身なので、不浄な場所に置かず、神札は神棚に祀るか、目線より高く清浄な場所にお祀りしてください。できれば南向きか東向きに奉安しましょう。お守りは身につけるようにした神札なので、身近なもの(衣服や鞄など)につけておけばよいのですが、汚しやすいので注意が必要です。

おみくじ・絵馬などの縁起物には霊威は宿っていませんが、神様からの授かりものなので粗末にしてはいけません。おみくじは本来いただいて帰るものであるが、悪い内容であったり、縁結びの願掛けをする時は、境内の指定の場所に結びましょう。絵馬は奉納するのが本来のあり方ですが、記念にもって帰ってもかまいません。御朱印は参拝の証なので、参拝を終えてからいただくのが原則で、神社の印が捺されているので神札に準ずるものということもできます。穢れのない場所で保管しましょう。

神社についてもっと知りたくなる興味深い内容が満載!

★狛犬とキツネはどんな役割を果たしているの?
★神様によって叶う願いが違うのか?
★一生の願いを叶える神社とは
★神社の境内には何があるのか?

などなど気になるタイトルが目白押し!

ほかにも、つい誰かに話したくなるようなトピックが満載!日本に8万社あるという神社。神社は静謐な気で満たされ、まさに日本文化の心を象徴しています。御朱印ブームは衰えることを知らず、スピリチュアルや開運祈願ブームを背景に、神社への関心はますます高まっています。本書は、神社や神様の基礎知識が身につき、さまざまな開運神社もわかる、神社参拝が楽しくなる1冊です。

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 神社の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神社の話』
渋谷申博 監修

日本に8万社以上あるという神社。神社は静謐な気で満たされ、まさに日本文化の心を象徴しています。御朱印ブームは衰えることを知らず、スピリチュアルや開運祈願ブームを背景に、神社への関心はますます高まっています。本書は、神社や神様の基礎知識が身につき、さまざまな開運神社もわかる、神社参拝が楽しくなる1冊です。

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