クラブの動きを知っておこう
クラブの動きの理想はオンプレーンスイング
ゴルフスイングというのは、クラブを使ってゴルフボールを目標に向かって飛ばすための動きです。ボールへの当て方で、打球の飛び方が決まりますから、当てるための動かし方を考えればいいわけです。「どう当てるか」の答えは、ゴルフクラブの形が教えてくれています。
ゴルフクラブの打面はシャフトに対して曲がってついています。この曲がっている角度(ライ角)どおりに当てることがカギ。そうすることによって、ボールに当てる面(フェース面)が目標を向くなどクラブを設計通りに使うことができ、狙った通りに打ち出しやすくなります。
ライ角通りに当てるために一番わかりやすいのが、構えたときのクラブの傾きに沿って面(プレーン)があると想定し、その上でヘッドを動かすイメージです。このプレーンはシャフトのラインに沿っているのでシャフトプレーン呼ばれます。
ただし、実際のフルスイングでは、シャフトプレーンよりも上にクラブを上げていかなければなりません。シャフトプレーンから、クラブはいったん外れるのです。が、どこまで上げていくかという上限の目安があります。それが、構えたときのボールの位置を基点に肩へ向かうライン。その範囲で動かせば、ダウンスイングで再びシャフトプレーンに戻せて、ライ角通りにインパクトしやすくなります。これがオンプレーンスイングと呼ばれる理想のクラブの動きです。
問題は、その「クラブの動き」をどうつくるか。それは、実は無限にパターンがあって、「これです」という理想型はありません。人それぞれ、骨格の個性や動きのクセに合わせて自分で見つけるしかありません。本書では、各関節ごとの動きとしてありえる動きのパターンを説明していきます。その動きを試してみて、先に説明した「理想のクラブの動き」をつくれる方法を見つけていってください。そのためにも、まずは、クラブの理想の動きの全体像を頭に入れることが大切です。
クラブの動きの理想であるオンプレーンスイングをする為の構え方
クラブをライ角通りに構えたときのシャフトの傾きに沿った平面がシャフトプレーン。インパクトゾーンでクラブヘッドはこの面の上を動くのが理想。
●ライ角
クラブヘッドを地面に対してセットしたときのシャフトの角度。この角度を基にしてスイングプレーンを考える。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2023.11.01