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高橋由伸以来の慶大卒外野手!巨人超攻撃型1、2番として期待の萩尾匡也/読売ジャイアンツ

Text:小林雄二

超攻撃的なタイプの1、2番候補は高橋由伸氏以来となる「慶大卒の外野手」

⚫︎読売ジャイアンツ
萩尾匡也

逆方向への飛距離も魅力の超攻撃的な選手

実は、ついこの間ご紹介した増田陸(巨人)と“こちら”、“どちらにしようか”と考えた挙げ句、増田を取り上げたのだが、“いや、やっぱりいいものはいい”ということで、チーム内ではライバルとなりそうな両者を禁断のダブルブッキング的に紹介することにしました。

今季(2024年)、その増田と外野のポジションを争うことになるかも知れないのは、大卒2年目の萩尾匡也(はぎお・まさや)。2022年のドラフト2位で慶應大から入団した右投げ右打ちの外野手である。ちなみに巨人が同大の外野手を指名したのは高橋由伸氏以来で、左と右の違いこそあれ広角に強い打球を打つことができること、走力もあり(萩野は50m6.0秒)、守備力もあるという点は共通項として挙げられる。

もう少し具体的にいうと、萩尾匡也はリストが強く、強い体幹を活かしたスイングで「インパクトが強く、逆方向への飛距離は魅力。ツボにはまった時の打球速度は目を見張るものがある。走る姿は躍動感があり、次の塁を狙う姿勢がいい。超攻撃的な選手で将来の1、2番候補」(脇谷亮太スカウト)なのである。

この方向性でいくというのをつかめたら…

大卒ということもあり、もともとは「即戦力スラッガー」という触れ込みでの入団だったのだが、スタートダッシュとは行かなかったのが実状だ。イースタンでは5月に18試合に出場してリーグトップの打率.473をマーク、ファームの月間MVPを獲得するなど活躍。勢いそのままに5月28日、一軍からお呼びがかかるとその日の阪神戦(甲子園)、「7番・中堅」でスタメンデビュー。3点を追う7回、先頭打者として打席に立つと、才木浩人からプロ初安打を記録。カウント2ー2から3球ファールで粘り、最後は151キロの直球を左前にはじき返してのメモリアルヒットだった。

ただし、あとが続かず二軍落ち。

「自分のスイングができなかった」とは萩尾匡也。

二軍での試行錯誤は続き、二岡智宏二軍監督からは軸足が絡まないように意志するよう助言を受け、これによりタイミングのとり方が安定。速い直球にも力負けしなくなったことでイースタンで好成績を残すも、一軍に呼ばれた9月は7試合出場も9打数無安打。

 

再び二軍に戻ると、昨季限りで引退した松田亘浩から右手の押し込み方の助言を受け、イースタンのラスト9試合で3本塁打。最終的に同リーグではチームトップの打率、.283を残した。これには本人も手応えを感じたようで「二軍戦の終盤からいい感覚で打てている。打撃フォームをこの方向性でいくというのをつかめたら」と臨んだ秋季キャンプでは、とにかくバットを振り込んだ。

やりたいことができてきました

同キャンプでは新任の矢野謙次打撃コーチからは上半身の硬さを指摘され、猫背気味の姿勢を指摘されたことで「こっち(腹筋)がつき過ぎて肩が内側に入ってしまう傾向がある」と自己分析。肘や肩を柔らかく使う意識でスイングを繰り返したことで「“やりたい”ことができてきた。スイングの安定性や打球速度が出てきた」という。

この萩尾匡也、実は慶應大の1、2年時はなかなかリーグ戦に出場でいなかったのだが、同大の堀井哲也監督に「インサイドアウトというものを意識して取り組もうといわれて、そこを2年生からしっかり徹底して練習してきました」のだとか。その結果、「3年の秋頃から自分の“やりたい”バッティングができるようになり」打撃が開花し急成長。4年春の春季リーグで5本塁打を放つと、秋には打率.400、4本塁打、17打点の好成績で東京六大学リーグの三冠王に輝いた経緯がある。

現在、追い求めているのはそこからの進化形である“プロのスイングのかたち”。その結果として“(プロで)やりたいこと”が身につけば、大学時代同様、一気に上昇気流に乗ってくるのではないか…と思うのだ。

阿部慎之助新監督いわく「外野(のレギュラー枠は)ほぼ空いているようなもの」のチーム事情は間違いなく追い風だ。くわえて球団からは萩尾匡也を名指しで「2桁盗塁をしてほしい」というリクエストも頂戴した。

右中間への胸のすくような打球ののび、そして躍動感あふれるランニング。180cm、85kgの身体でグラウンドを目一杯使い切る萩尾匡也のプレーを今季は目一杯、楽しみたい…と思うのだ。

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