東京ユナイテッドバスケットボールクラブの首脳陣が考えるチーム戦略とは?
橋爪純ヘッドコーチ(HC)、竹内峻、葉山泰輔の両アシスタントコーチ(AC)が語るTUBCの未来!
昨年、『B3』カテゴリながらホーム開幕戦で有明アリーナにBリーグ史上最多1万358人の観客を集め、大きな話題となった東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下TUBC)。B3参戦3季目となる今季はクラブとして悲願のB2昇格を狙うシーズンになる。『ラブすぽ』では、そんなTUBCに密着取材を慣行!開幕前の特別企画第2弾は、チームの指揮を執る橋爪純ヘッドコーチ(HC)、竹内峻、葉山泰輔の両アシスタントコーチ(AC)による首脳陣対談企画です!
――今回はB2昇格を目指すTUBCを率いる3人の指導者の方にお話を伺います。まず、橋爪HCと葉山ACは今季からチームを指導されるんですよね?
橋爪 はい。これまでは福岡、富山、熊本、東京Zなどでアシスタントコーチやヘッドコーチを務めて、昨季は群馬の育成部におりました。
――このタイミングでチームのHCに就任した経緯を教えてください。
橋爪 2年前の2022年に東京ZでHCをやらせてもらったんですけど、シーズンを完走することができませんでした。その時から「もう一度チャンスがあれば……」とずっと思っていました。そんなとき、お話を頂いてぜひお世話になりたいなと。
――葉山ACも昨季までは豊田合成でAC兼通訳を務めていらっしゃいました。今季からTUBCに加入した理由は?
葉山 コーチ業をやっていくうえで、自分にとって何が大事か、何をやらせてもらえるか。環境がすごく大事だと思うんですけど、そういう点でTUBCさんがものすごく「良い環境だな」と思えたこと。あとは、宮田(諭)さんに声をかけてもらって、チームへの思いや熱意に胸を打たれた、という部分も大きかったです。橋爪HCとも以前、福岡で一緒にやらせてもらったこともあって、バスケに対する熱意も知っていましたし「一緒にやりたいな」という思いが強かったですね。
――一方の竹内ACはチーム創設初年度からACを務めているんですよね?
竹内 はい、B3参戦初年度から携わらせてもらっています。TUBCは本当にゼロからスタートしたチームでしたが、関わる人間もすごく真面目で、この2年間、チーム全体で成長してきたという印象です。
――TUBCはB3参戦初年度から2年連続でプレーオフ進出。しかし、あと一歩でB2昇格を逃してきた歴史があります。
竹内 初年度はゼロからのスタートで、その中でもチームのスタイルは築くことができたかなと思っています。ただ、その勢いを上手く2年目のシーズンに繋げることができなかった部分はありました。特に昨季はケガ人が出た中で、本来であればそれをカバーしながら戦わなければいけなかったんですけど、上手く勝ちを拾えなかった。それが上位チームとの差になってしまったのかなと。
――そういった過去2シーズンの反省点や今季に向けての課題は3人で共有するのですか?
竹内 まだ1カ月ちょっとですけど、対話はすごくできています。体感的には「1カ月」よりもっと長く一緒にやっているような感覚でやれていると、僕は思ってるんですけど、どうですか?
橋爪 ……まぁまぁ、そうですね(笑)。
葉山 それじゃコミュニケーション取れてないみたいじゃないですか(笑)。
橋爪 いや、真面目に答えるとバスケットだけじゃなくていろいろな話も出来ていますし、仕事上だけの関係じゃなくて、「仲間」としてやれていると思います。
葉山 あー、よかった(笑)。
――お三方ともに、当然今季は結果を求められる立場だと思います。シーズンが始まるまで少し時間はありますが、TUBCのバスケを構築するのはこれからですか?
橋爪 外国籍メンバーも含めて、メンバーが全員そろってから本格的にチーム作りを始めていくことになるんですけど、すでに今いるメンバーには僕がやりたいことは伝えていますし、個人としてやってほしいこと、質を高めるようなオーダーは出しています。それを踏まえて、チーム全体でやりたいことを構築していくイメージです。
――お話しできる範囲で構わないので、どういうオーダーを出しているのでしょうか?
橋爪 特に日本人選手に関しては、昨季より積極的に攻撃に参加する、自分たちがキッカケになるプレーを求めたいです。外国籍選手に頼らず、ディフェンスもオフェンスもチーム全員で仕掛けていくイメージです。
――橋爪HCがやりたいバスケットボールが浸透している手ごたえはありますか?
橋爪 まだ一緒にやり始めたばかりですけど、こちらの意図も理解してくれているなと思うシーンは増えています。あとはやはり、外国籍選手がここに加入したときにそれをやり通せるかも大切かなと思いますね。
――TUBCの今季の活躍が楽しみです!(後編へ続く)
記事/花田雪
写真/岩田裕介(ラブすぽ編集部)
公開日:2024.09.09